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がんの治験プロセス、富士通のクラウドで効率化導入事例

創薬ベンチャーのオンコセラピー・サイエンスは、通常15年はかかるという新薬開発について、クラウドを利用し迅速化する。

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 東京大学医科学研究所中村祐輔研究室のがん遺伝子研究の成果をもとに、がん治療法の研究開発を図るため、2001年に設立した創薬ベンチャーのオンコセラピー・サイエンスは、富士通のクラウドサービス「DDworks21/ EDC plus」を採用した。6月27日、富士通が発表した。

 通常、新薬の開発には「15年はかかる」とされている。その内訳は、製薬会社で5年ほどかけて創薬の研究をし、その後、治験を5年から7年にわたり実施し、最後に製薬会社が治験データをまとめ、厚生労働省に申請するというもの(承認にも時間を要する)。

 治験のプロセスにおいては、治験を実施している医療機関から、手書きの症例報告書を回収しなければならず、手間と時間がかかっていた。症例報告書に記載された内容についても、回収して初めてその内容を確認できるため、修正を要することがあり、作業が手戻りしたり、訪問回数が増加したりする要因となっていた。

 今回オンコセラピー・サイエンスは、治験プロセスにおける医療機関とのやり取りを効率化するため、DDworks21/ EDC plusを導入した。症例報告書をクラウド化することで、医師は報告書をWebから直接入力でき、製薬会社は訪問前に入力状況を確認できる。サーバを設置する必要もないため、製薬会社はより多くの人的資源を研究開発に投入できる。

 オンコセラピー・サイエンスは「世界が注目するがんワクチンなどの開発において、本サービスを活用し、迅速な新薬開発を推進する」としている。

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