日本IBM、x86やPOWER7サーバと統合運用できる中堅向けメインフレームを発表
日本IBMの「IBM zEnterprise 114」は、ハイエンド製品の高信頼機能を盛り込みながらブレードサーバと統合運用できるミッドレンジのメインフレームだ。
日本IBMは7月13日、ラインアップではミッドレンジに位置するメインフレーム製品「IBM zEnterprise 114(z114)」を発表した。9月9日に出荷を開始する。
既存の同等製品「IBM System z10 Business Class」と比較して、プロセッサコア当たりの処理能力が18%向上し、また内部バスの転送速度も6GBpsから8GBpsへと向上した。また「z/OS 1.12」のコンパイラで最適化すれば、CPU集中処理の性能が25%向上するという。上位製品で採用されているRAIM(Redundant Array of Independent Memory)を搭載しており、HDDのRAID5のような冗長化設計をメモリに適用することで、耐障害性も向上している。
1秒間当たりの命令処理数については、26MIPSから3100MIPSまでの130段階にセットできるため、日本IBMでは「中堅企業から大企業まで、多様な業務に活用できる」としている。
なおz114は、x86系やPOWER7プロセッサのブレードサーバを格納する「IBM zEnterprise BladeCenter Extension(以下、zBX)」と組み合わせて運用可能。最大112台のブレードサーバを仮想化できるzBXのファームウェア「UnifiedResource Manager」が、一元管理を可能にするという。日本IBMでは「データを高速検索するIBM Smart Analytics Optimizerや、XML処理を高速化し業務連携させるIBM WebSphere DataPower Integration Appliance XI50 forzEnterpriseなどと統合することでワークロードを最適化できる」としている。
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