「レースサーキットの興奮を伝えたい」── マーケティングの変革に取り組むISC:Teradata PARTNERS 2011 Report(2/2 ページ)
サンディエゴの「Teradata PARTNERS 2011」では、約300のセッション中、ユーザーによる事例セッションが100を超える。金融、通信、流通、航空といった、Teradataが得意とする業界の名立たる企業に交じって、スポーツエンタテインメント業界のISCもそのCRM活用事例を紹介した。
Aprimoで5つの顧客システムを統合
ISCは2008年、統合マーケティングソフトウェアベンダーとして定評のあるAprimoを選定、同社のAprimo Marketing Studioの実装を開始する。インディアナ州インディアナポリスに本社を置く同社は今年初め、Teradataの傘下に入ったばかりだ。
2009年初めには、ワークフロー、ダイアログ管理、キャンペーン管理、e-メール管理、データベース管理、およびレポーティングなど、すべてのモジュールが稼働し、ISCはe-メールやダイレクトメール、コールセンターといった5つの顧客システムを統合することに成功する。
「e-メールキャンペーンを例に取っても、少ないスタッフながらきめ細かい施策が打てるようになった。2007年には年間250だったe-メールキャンペーン数が2010年には1000以上に増え、今年はさらに倍増しそうだ」(キーター氏)
350万人に上る登録メンバーに対しても積極的にセグメント化を進め、それぞれにターゲットされた施策を試みている。セグメント属性も当初の1500に加え、2010年には2400のセグメント属性を追加した。
「好みのレースサーキット、お気に入りのチームやドライバーに応じて、ニュースレターもカスタマイズしており、ファンとのコミュニケーションは大幅に改善している」とキーター氏。
意外な成果、ワークフロー機能でプロセスも統合
当初はあまり期待を寄せていなかったが、結果として大きな効果を発揮することになったAprimoのモジュールがあったという。それは、ビジネスルールを組み込める「ワークフロー機能」だ。
「ワークフロー機能によってすべてのマーケティング業務をAprimoから始める約50のプロセスに統合できた。これによってAprimoのトレーニングを受ければ、ひとりでキャンペーンを管理できるようになった。ワークフロー機能でプロセスを洗練することができたのは大きいし、スピード感も得られた」とキーター氏は明かす。
昨年の11月と12月、同社では100以上のe-メールキャンペーンをはじめ、数百のマーケティングコミュニケーション施策が立案されたが、どれも5営業日以内に承認され、スピーディーにミスもなく実施することができたという。
「fanMAXプロジェクトは、折悪くサブプライム住宅ローン危機、そしてLehman Brothersの破綻と世界的な金融危機に引見舞われたが、業績は横ばいを維持しており、40万人の見込み客を獲得するなど、最初の年から初期投資と年間コストは回収できた」(キーター氏)
なお、ISCは今年3月にカリフォルニア州ロサンゼルスで行われたGartner主催「Customer 360 Summit 2011」で「CRM Excellence Award」(統合マーケティング部門)に選ばれた。人、プロセス、そして技術を上手く統合していることが高く評価されたという。
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