HP、ARMベースの省電力サーバプロジェクト「Moonshot」を発表
HPが、従来のサーバ向けプロセッサより消費電力が10分の1というARMベースのプロセッサを搭載するサーバ開発プロジェクトを立ち上げた。
米Hewlett-Packard(HP)は11月1日(現地時間)、省電力サーバ開発プラットフォームプロジェクト「Moonshot」を立ち上げたと発表した。プロセッサメーカーの米Calxedaと共同でARM Cortexベースのサーバ向けプロセッサを開発中という。クラウドサービスやオンデマンドコンピューティング向けの“ハイパースケールな”環境の提供を目指す。
同プロジェクトで採用する「Calxeda EnergyCore」のプロセッサ当たりの消費電力は1.5ワットと、現行のほとんどのサーバプロセッサの10分の1以下になるという。ベースになっているARM Cortexは携帯電話のプロセッサとして採用されることが多く、米AppleのiPad 2のCPU「A5」もCortex-A9をベースにしているとみられている。
HPが同プロジェクトの下で開発しているサーバプラットフォーム「Redstone Server Development Platform」のシステムは、7インチのシャーシに288のCalxedaサーバを搭載し、1ラックで従来の700台のサーバに相当するスループットを提供するという。同サーバは2012年前半に提供を開始する計画。将来的には米IntelのAtom搭載版も開発する見込みだ。
HPはこのプロジェクトにより、データセンターは従来のサーバと比較して最大で89%の省電力、94%のスペース削減、63%のコスト削減を実現できるとしている。
同社はMoonshotプログラム推進のため、顧客のRedstoneサーバ採用を支援する「Discovery Lab」を欧米、アジアに開設する。最初のラボは、2012年1月にテキサス州ヒューストンに設置する計画だ。
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