メインフレームとDWHを連携した高速データ分析ソフト 日本IBM
日本IBMは基幹システムのデータを高速分析するソフトウェア「IBM DB2 Analytics Accelerator for z/OS V2.1」を販売開始する。
日本IBMは11月8日、基幹システムのデータを高速分析するソフトウェア「IBM DB2 Analytics Accelerator for z/OS V2.1(IDAA)」を発表した。11月25日から出荷を開始する。
IDAAは、同社のメインフレームシステム「zEnterprise System」と、情報分析を強みとするデータウェアハウス(DWH)アプライアンス「Netezza 1000」を連携する製品。これにより、これまでzEnterpriseのみで実行していたさまざまなデータ処理を内容に応じてNetezzaに振り分けることが可能になった。例えば、銀行振り込みのようなオンライン処理はzEnterpriseのデータベース(DB2)で、売り上げデータの集約や分析はNetezzaで行うといった具合だ。
こうした振り分けは各SQLステートメントに最適なアクセスパスを作成する機能「DB2オプティマイザー」によって自動的に実行される。そのため、ユーザーやシステム管理者はNetezzaの存在を意識せずに、従来通りメインフレームのDB2にアクセスすればよく、アプリケーションや運用方法を変更する必要はないという。日本IBM システム製品事業 エバンジェリストの北沢強氏は「(zEnterpriseのユーザーは)NetezzaとIDAAを導入するだけでアプリケーションが高速になるのだ」と力を込める。同社の実測によると、zEnterprise単体と比べて1000倍程度の高速データ処理を実現することも可能だとしている。
複数の分析用サーバをIDAAに統合することでシステムやサーバの台数を削減できるほか、トランザクション処理と分析処理という異なる業務処理を一元管理するため、運用管理が容易になる。
販売方針について、主な提案先はIBMメインフレームの既存ユーザーで、既に金融業や保険会社からの引き合いが強いという。「センサデータ、物流データなど大量のデータ解析が必要な流通業や製造業においてもIDAAは有効だ」と北沢氏は話す。
価格は、Netezza 1Sブレードあたり560万円(税抜き)から。zEnterprise、Netezza本体は含まれない。
関連記事
- IBM Information On Demand 2011 Report:金融危機を読みきったビジネスアナリティクス
「ビッグデータ」の中核となるべき製品群をラインアップする、IBMソフトウェアブランドの年次カンファレンスが開幕した。 - IBM Information On Demand 2011 Report:ビッグデータ対応は今に始まったことではない IBMのソフト&ハード統括責任者
これまでもIBMでは顧客の情報活用を支援するためにさまざまな製品やサービスを提供してきた。「ビッグデータ」に対する市場のニーズの高まりを受けて基盤を整備した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.