NECとNECネッツエスアイは6月12日、NTT東日本が福島県双葉郡楢葉町から受託した、同県内外へ避難している住民が町からの情報閲覧やアンケート回答などができる「ライフコミュニケーションサービス」を納入したことを発表した。
楢葉町は、東日本大震災の影響により福島県いわき市内に点在する仮設住宅や福島県外など全国各地へ避難している住民に対し、今年4月からライフコミュニケーションサービスをベースに、「町きずな再生電子回覧板事業」として情報提供を開始している。ライフコミュニケーションサービスにより、楢葉町の住民は、ネットワークとタブレット端末を利用して、所在地にかかわらず、役場からのタイムリーな情報の受信や役場職員による住民の安否状況の確認、アンケートによる住民から町への自由な要望の提案といった、役場と住民の双方向コミュニケーションが可能になった。さらに、故郷の現在の様子を知りたいというニーズに対し、町内の様子をリアルタイムで配信する「ライブカメラ」や、地域ごとの放射線量を表示する機能なども用意している。
今回、NTT東日本が仮設住宅地の屋外無線LAN(Wi-Fi)の設置、運用およびシステム全体の統括を行い、NECとNECネッツエスアイは、誰もが使いやすいシンプルな操作を実現するサービスとして、コンテンツを制作・提供した。
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