Verizon、Verizon Wirelessを完全子会社化 Vodafoneに1300億ドル
米携帯通信市場トップのVerizon WirelessがVerizonの完全子会社になる。100%の経営権を取得することにより、LTEネットワーク整備などで追い上げるAT&Tやソフトバンク傘下のSprintをかわす狙いだ。
米通信大手のVerizon Communicationsは9月2日(現地時間)、英Vodafone Groupから合弁会社Verizon Wirelessの45%の株式を1300億ドル(約12兆9000億円)で買収することで合意に達したと発表した。買収は現金と株式で行い、取引は2014年第1四半期(1〜3月)に完了する見込み。
Verizon Wirelessは現在、米AT&T、ソフトバンクが216億ドルで買収した米Sprintを抑えて米携帯通信市場で首位に立つ。この合意で首位を固める狙いだ。
Vodafoneは米国から完全に撤退し、獲得した資金で欧州や新興国市場での事業に注力するとしている。
Verizonのローウェル・マッカダムCEOは発表文で「Verizon Wirelessは13年以上、Verizonの事業戦略の主要な推進力となってきた。Vodafoneとの提携により、同社を米国トップの携帯通信企業に育てた」としつつ、Verizon Wirelessの完全な経営権を掌握することにより、LTEネットワークなどのVerizon Wirelessの事業とVerizon Communicationsのケーブルやクラウドといった事業をより効果的に統合したサービスや製品を顧客に提供できるようになると語った。
米携帯通信市場2位のAT&Tは7月、プリペイド携帯電話サービスの米Leap Wireless Internationalを買収し、同社の遊休周波数帯(4100万人をカバー)をLTEネットワークに利用する計画を発表した。3位のSprintは、今後2年間で160億ドルを投資し、LTE網の整備などを進める計画だ。
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