王子グループ、仮想サーバ56台をIBMのブレード統合システムに集約:導入事例
IBM Flex Systemなどを活用して王子グループはサーバ統合を実現、コスト削減を図っていく。
紙パルプ製品事業などを手掛ける王子ホールディングスは、クラウド環境構築に向けた基盤として、IBMのブレード型システム製品「IBM Flex System」と統合管理アプライアンス「IBM Flex System Manager」、仮想化環境の管理を簡素化するソフトウェア「IBM SmarterCloud Entry for IBM Flex System」を採用した。システムを提供した日本IBMが11月19日に発表した。
同日に開かれた記者説明会において、システム導入プロジェクトを統括する王子ビジネスセンターで取締役 業務本部長を務める島田政明氏は、「既存のサーバをFlex Systemに統合することで大幅なサーバ台数削減を実現したほか、(人件費など)運用コストの削減も見込める」と力を込めた。
王子ビジネスセンターは、王子グループ全体のITインフラ領域などをカバーするシェアードサービス会社。これまで王子グループは、営業系および工場製品管理の業務にメインフレームを、工場製品管理、物流、人事の業務にUNIXサーバを、会計や決算、経費、購買、就労管理などの業務にIAサーバを利用しており、2008年以降にIAサーバの大部分を仮想化統合した。そうした中、運用管理のさらなる効率化によるTCO削減や、システムの柔軟性および拡張性の向上を求め、クラウドを意識した新たなIT基盤を構築することになった。
当初は複数のブレードサーバを組み合わせて基盤を構築することも検討したが、コスト面で大きな差がなかったことや、仮想化範囲の拡大が可能なこと、保守および運用の効率化を実現するシステム運用自動化技術を搭載すること、リソースプール型のアーキテクチャによってプライベートクラウド環境を容易に構築できることなどを評価し、Flex Systemを採用した。
統合プロジェクトは、IA仮想サーバの移行、IA物理サーバの移行、UNIXサーバの移行、という3段階で進める予定で、現在は最初のステップが完了しつつある。具体的な成果としては、VMware、Hyper-V、KVMなどの仮想化ソフトウェア上で稼働するブレードシステム56台を6台のFlex Systemに統合したという。最終的には、IA物理サーバ85台、UNIXサーバ25台も統合することで、10台のFlex Systemと2台のp460から成るシステム基盤に集約できる試算だ。島田氏は「今後10年の王子グループのIT環境を支える基盤としていきたい」と意気込んだ。
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