Google傘下のNest Labs、煙検知器44万台をリコール(オンラインアップデートで)
警報が遅れる恐れのある不具合で現在販売停止中のNest Labsのスマート煙検知器「Nest Protest」で、44万台を対象とするオンラインアップデートによるリコールが実施された。
米Google傘下のNest Labsは、同社の煙検知器「Nest Protect」のリコールを実施する。米国の一般的な消費者製品の安全性を監視する連邦政府機関、米消費者製品安全委員会(CPSC)が5月21日(現地時間)、告知した。
Nest Protectは、同社が昨年11月に129ドルで発売したモバイル端末とも連係するスマート煙感知器。煙や一酸化炭素を感知すると警報が鳴り、手を振るだけで警報を止める機能を搭載する。ところが今年の4月、この警報解除機能に不具合(誤って解除され、警報が遅れる可能性が生じる)がみつかったとして同社はこの製品の販売を停止した。この不具合による事故の報告は今のところないという。
CPSCによると、リコールの対象になるのは2013年11月15日〜2014年4月3日に販売された約44万台。製品の回収などはせず、オンラインアップデートで警報解除機能を利用できなくすることで不具合を解消する。Nest Protectは基本的にはWi-Fiに接続して使うものだが、接続なしで利用しているユーザーはアップデートのために接続する必要がある。
Nest Labsは同製品の払い戻しも受け付けている。この払い戻しは、11月30日まで受け付ける。払い戻し金額は141.90ドルだ。
Nest Labsは“iPodの父”と呼ばれる元Apple上級副社長のトニー・ファデル氏がAppleの同僚マット・ロジャース氏と共同で2010年に創業したスマート家電企業。1月にGoogleが32億ドルで買収すると発表し、2月に手続きを完了した。
関連記事
- NestのファデルCEO、Googleによる買収を語る
Googleが32億ドルでの買収を発表したNestのトニー・ファデルCEOがインタビューで、現段階ではNestで収集したデータをGoogleにわたすことはなく、変更する場合は透明性を持たせ、変更はオプトインに設定すると約束した。 - Google、“iPodの父”のスマートホーム企業Nestを32億ドルで買収
Googleが、家庭向けの温度調節器や煙感知器などのスマートホーム製品を販売する元Appleのエンジニア、トニー・ファデル氏の新興企業Nestを買収する。Nestは買収完了後も独立した子会社として存続する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.