NestのファデルCEO、Googleによる買収を語る
Googleが32億ドルでの買収を発表したNestのトニー・ファデルCEOがインタビューで、現段階ではNestで収集したデータをGoogleにわたすことはなく、変更する場合は透明性を持たせ、変更はオプトインに設定すると約束した。
米Googleが32億ドルでの買収を発表したスマートホーム企業Nestのトニー・ファデルCEOは1月20日(現地時間)、独ミュンヘンで開催中のIT系カンファレンス「DLD 2014」に登壇し、インタビューに答えた。
Nestはインターネットに接続して利用できるサーモスタット(自動温度調節器)と煙感知器を販売する非公開企業で、元Apple上級副社長のファデル氏が2010年に創業した。あらゆるものをインターネットに接続することで実現するサービス、いわゆる“Internet of Things”の可能性を一般消費者に示した企業として注目を集めている。
Googleが買収したことにより、Nestが収集するユーザーデータがGoogleの手にわたるのではないかという懸念が浮上したが、ファデル氏はインタビューで「今の段階では何も変わらない。データは製品の改善のためにのみ収集している。もし何か変更することがあれば、第一に変更を開示するし、第二にその変更はオプトイン(ユーザーが自分で有効にする)にする」と約束した。
Googleからどのようなアプローチがあり、なぜ買収されることに合意したのかという質問には、決意するまでにGoogleのラリー・ペイジCEOを含む幹部に数カ月にわたって何度も会って話し合い、協力して世界を変革できると確信したからと答えた。
次に来るのは何かという質問には、「Connected Car(通信機能を持つ自動車)」だとし、既に多数の企業が参入しているがまだ大きな可能性があり、向こう数年中に大きな変化が来ると語った。
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