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HANAで自社の会計処理も高速化 新生SAPが目指す「シンプル」な世界とは?:SAPPHIRE NOW Orlando 2014 Report(2/2 ページ)
ビル・マクダーモット氏が単独CEOになって初めての開催となる年次カンファレンス「SAP SAPPHIRE NOW Orlando 2014」がフロリダ州オーランドで開幕した。初日のキーノートでは「シンプル」というフレーズが連呼された。
Fioriを無償提供
HECによる業務のシンプル化だけではなく、ユーザーインタフェース(UI)のシンプル化も図った。それが同じく昨年のSAPPHIRE NOWでリリースされた、直感的なUIを実現するビジネスアプリケーション群「SAP Fiori」である。先進的なユースケースとして紹介された食品・飲料会社のNestleは、Fioriによって業務アプリケーションの入力工数を75%も軽減した。
「Fioriが仕事の複雑性を解消する。数クリックで人々は仕事を開始できるようになる。業務システムのUIをシンプルにすることが社員にとって何よりの魅力なのだ」とマクダーモット氏。顧客からのニーズの高さを受け、マクダーモット氏は講演の中で今後Fioriを無償提供することを発表した。
「SAPは顧客、パートナーとともに共通の敵である複雑性に立ち向かう。カスタマーエクスペリエンス(CX)のために製品やサービス、細かな技術までについてもシンプル化を実現する。人々の生活を改善し、世界がより良くなるようにシンプルを追求していくのだ」(マクダーモット氏)
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