2020年に100万人のサイバー犯罪者出現? 次のセキュリティを打ち出すHP:HP World Tour Report(2/2 ページ)
インド・ムンバイで開催の「HP World Tour Report」では高度化するサイバー犯罪に立ち向かうセキュリティ対策の新たな方向性やデータ保護のためのソリューションが発表された。
HPはどう守る
カンファレンス後にはエンタープライズセキュリティ製品ソリューションコンサルティングディレクターのマヒュー・シュライナー氏が、日本メディアのグループインタビューに応じた。
ハードウェアやエンタープライズ向けのサービス・ソフトウェアベンダーとの印象が強い同社だが、セキュリティビジネスでは2011年に、ネットワークセキュリティのTippingPointや脅威分析などのArcSight、脆弱性検査などのFortify、セキュリティ研究のDV Labsなどの製品・サービス群を「HP Enterprise Security」として統合している。
ArcSight出身というシュライナー氏は、「個々のセキュリティ技術分野で小規模ながら活躍してきた各製品がHPに統合されたことで、業界をリードする包括的なソリューションとして多くのユーザーに提供できる体制が実現した」と語る。
ただ、近年のITセキュリティ市場では従来のセキュリティ専業ベンダーに加え、総合ITベンダーの参入が相次ぐ。シュライナー氏は競合との差別化について、顧客企業のビジネスゴールに着目したソリューション提供に強みがあると説明した。
「製品・サービスありきではない。例えば、CISO(最高情報セキュリティ責任者)とのワークショップでは人やビジネスプロセス、テクノロジーの観点から彼らのゴールに即した対策をユースケースや成功事例をもとに提案する。そのゴールはAPT対策や境界防衛の効果、コンプライアンスなど様々であり、ソリューションを提供していく」(同氏)
同社のセキュリティの方向性は、カンファレンスでカワレック氏が示した最新の脅威に先手を打てる対策の実現だという。
「例えば、セキュリティ監視センター(SOC)でわれわれは『第5世代』を実現しようとしている。世界に数十カ所のSOCを構築した経験や、24時間の監視・解析を行っている知見を生かし、ビッグデータとセキュリティインテリジェンスを組み合わせてサイバー犯罪者たちを追及できるものだ」(シュライナー氏)
この「第5世代SOC」に関しては、2011年にハクティビストらによる相次ぐサイバー攻撃から深刻な被害を受けた大企業でのセキュリティ強化をHPが手掛けたケースがあるという。
関連記事
- コンピュータの世界を変える、ハードウェアの雄が仕掛けるITの新しい形
HPがインド・ムンバイでアジア太平洋地域の顧客やパートナー、メディア向けイベントを開催した。「New Style of IT」をテーマに、HPの変革事例や新たなコンピューティングの方向性を提示した。 - 東京でハッキングコンペ、日本チームがGalaxy S4の脆弱性発見
- HPが提案、「企業にはセキュリティ監視システムが不可欠」
- ITセキュリティの基本はやはり脆弱性対策――HP担当者
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.