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遠州鉄道が“50万人のビッグデータ分析”で実現したこと(3/3 ページ)
遠州鉄道は“浜松市民の約半数”が持つという共通ポイントカードのデータを分析し、顧客向けサービス向上などにつなげているという。取り組みの背景と狙いを聞いた。
顧客が「気持ち悪い」と思うデータ分析はしない
2011年末にデータ活用を本格化させてから約3年たち、「従来なら現場の担当者の“勘”頼みだったり、実際に顧客から声が上がらないと分からなかった課題が可視化できるようになってきた」と中村さんは話す。今後もさまざまな分析を通じて「(データ活用の)規模や精度を向上させていきたい」という。
一方、同社はえんてつカードやその他のデータ分析に当たって独自のポリシーを設けている。「例えば、ある個人が電車やバスでどこからどこまで移動したかなど、カード利用者が『監視されている』と感じかねない分析は行わないようにしている」(中村さん)。この方針を踏まえ、例えばバスの運行可視化に当たっても“個人を特定できない統計的なデータ”のみに絞って分析・活用しているという。
「当社は静岡県西部に特化して事業を展開しているため、地域のお客さまが一番大事。そんなお客さまが『気持ち悪い』と感じるデータ活用はしたくない」と中村さん。遠州鉄道は今後もえんてつカードの利用データ分析を通じ、顧客にとって“本当に価値ある”サービス向上を目指していく。
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