Google、著作権侵害対策を強化──“パイレーツアップデート”や新広告で
Googleは今週から、著作権侵害報告のあったWebサイトのランクを下げる「パイレーツアップデート」を実施する。
米Googleは10月17日(現地時間)、同社サービスでの著作権侵害対策の強化について発表した。著作権を侵害しているWebサイトの検索結果におけるランクを下げるアルゴリズムのアップデートや、検索結果に表示する正規コンテンツ推奨広告などを実施する。
パイレーツアップデートの実施
このアップデートは、同社が2012年8月に実施した著作権侵害報告の多いWebサイトのランクを下げるためのアップデートの改訂版。「パンダアップデート」などと同様に、「Pirate Update(パイレーツアップデート)」という愛称で呼ばれる。
同社はデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づいて、著作権保有者からの侵害報告を受け付けている。パイレーツアップデートでは、この報告を受けたWebサイトのランクを下げる。
Googleが同日更新した報告書「How Google Fights Piracy」(PDF)によると、2013年の1年間だけで2億2400万件の報告があったという。
このアップデートにより、映画やテレビ番組などを検索した際、違法サイトが上位に表示されにくくなるという。
パイレーツアップデートは今週から“ローリングアウト”していく。
新広告フォーマットの採用(まず米国で)
例えば「download(ダウンロード)」「free(無料)」「watch(視聴)」といった単語と映画やテレビ番組などのタイトルを検索語として入力すると、検索結果の上部に下図のような、検索したコンテンツを正規にストリーミングあるいは購入できるサービスの広告が表示されるようになる。
また、アーティスト名や映画のタイトルを検索すると検索結果の右枠に表示されるKnowledge Graphのカードにも、関連する正規のコンテンツ販売サイトの広告が表示されるようになる。
これらの広告はまず米国でのみ提供するが、今後提供地域を拡大していく計画という。
オートコンプリートからの侵害関連語の排除
検索語を入力する際に候補が表示されるオートコンプリートでは、過去に入力が多かったものが候補の上位に表示されるが、DMCA関連でランクダウンしたWebサイトにつながる検索語を表示しないようにしたという。
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