普及の第2フェーズに入る「iBeacon」──ACCESSに聞く、導入事例と対策のヒント(2/3 ページ)
あらゆる機器がネットワークとつながるIoT社会の到来を控え、企業のIT担当者はどこに、何を投資し、注力すべきか。今回はIoT対策の一環と位置付ける「iBeacon」をキーワードに、導入例と対策のヒントを探ろう。
iBeaconで得た情報は、「どのように活用する」のか
このようにiBeaconに興味を持つ人が増える一方で、導入を検討するIT担当者にとって、「スマートフォンアプリの開発をどうするか」「それと連動するWebサービスの開発」「iBeaconモジュール設置に関するノウハウ」「電池交換などのデバイス管理方法」といった課題がまだ残っている。
ゆえにiBeacon製品やソリューションサービス提供ベンダーは、導入に必要な開発プロセスやツールをパッケージ化し、必要最低限のカスタマイズや労力で導入できるよう工夫するケースが増えている。ACCESSの場合は、「ABF(ACCESS Beacon Framework)」がそれにあたる。専用アプリからクラウド側のコンテンツオーサリングシステム、そしてiBeacon設置におけるコンサルティングまで、一通りのメニューから必要なものを選んでシステムに導入することを可能とするソリューションだ。
さらに、ユーザーの行動履歴を把握し、これをマーケティングや広告配信に活用するDMP(Data Management Platform)というサービスを提供するソリューションサービス提供ベンダーも存在する。ABFは、このDMPツールとの連携も進める。iBeaconモジュールとスマートフォンアプリを経由して収集した情報をDMPにフィードバックして分析し、ユーザー個人により適した情報へ絞り込んで配信する試みなどである。
もちろん、このあたりまではiBeaconが出た当初より語られてきた活用事例かもしれない。当然、今後はIoT(Internet of Things:Internet of Things:モノのインターネット)時代も見据える必要がある。B2BやM2Mにみられるセンサーデバイスとしての活用事例が急増し、より広い範囲で活用されることが進んでいくことになる。
ACCESSがこのことをふまえて事例の1つとして紹介したのは、iBeaconを発信可能なモジュールに各種センサーとブザーも内蔵し、物流倉庫などで機材の移動監視や異常検知といった仕組みだ。同社はこの仕組みの製品化も進めている。
もともとUUIDを発信する機能しか持たないiBeaconへ各種センサーも組み合わせて定期通知させる仕組みは、最初にiBeaconモジュールの提供を行ったEstimoteをはじめ、各社が導入を進めている。これを、より実用的に、工場や物流施設などでのセンサーデバイスの一部としてしっかり活用していこうということになる。
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