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イマドキの“学生プログラマー”は何を考えているの?求めているのは、楽しさと環境(3/3 ページ)

東京・秋葉原で世界初という競技プログラミングの祭典「CODE FESTIVAL 2014」が開催された。今の「学生プログラマー」はどんなきっかけでプログラミングの世界に入り、何を目指しているのか。参加者の大学生たちに話を聞いてみた。

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プログラミングを“お祭り”に――「コミュニティを広げたい」

 CODE FESTIVAL 2014を支える裏方にもスポットライトを当ててみよう。本イベントは“プログラミングフェスティバル”と名乗るように、コンテスト以外のコンテンツも多数用意していた。「太鼓の達人」や「Dance Dance Revolution」といった“音ゲー”やボードゲームで遊べるブースや、コードを筆で書いてみるといった一見プログラミングと関係がなさそうなものも多い。

 プログラミングに関係するものならば何でもアリ――言わば学生の“文化祭”のようなスタイルにした理由を、この企画のサブプロジェクトリーダーであるリクルートの秋田毅さんはこう話す。

 「普通のプログラミングコンテストは世界じゅうどこでもやっています。2013年にも一度『Recruit Programming Contest』という名前で開催したんですけど、まだ全然可能性が分からなかったんです。そこで一度学生にヒアリングしてみて、その意見を反映させたものを作ってみようと思いました」(秋田さん)

photophoto Dance Dance Revolution(写真=左)と太鼓の達人で遊べるブースや、プログラムを書道で書いてみようという「書道コーディング」もコンテスト後に賑わっていた(写真=右)

 日本各地の大学でヒアリングをした結果、音ゲーが競技プログラミング業界の人たちと親和性が高いと分かったという。また、オフラインで行われるプログラミングコンテストの規模が小さいことから、成績上位の“固定メンバー”ばかりがいつも参加しているという実態もヒアリングで分かった。そのため、本戦の参加者を200人という他に類を見ない規模にしたそうだ。

 普段、オンラインでしかつながってない人と実際に会ってコミュニティを広げてほしいというのが主催者側の狙いだ。参加者にバイキング形式の食事をふるまい、遠方から参加する人には、交通費や宿泊費をリクルート側で負担するなど「太っ腹すぎる」という声も参加者から上がっていたが、それだけリクルートがこのイベントに賭ける思いは強い。

 「競技プログラミングというのはまだニッチな業界かもしれないが、エンジニアになる1つのきっかけになれば幸いです。実際、優秀なエンジニアは名だたるWeb企業では優遇されている。日本のエンジニアはもっと評価されていいはずです」(秋田さん)

学生が求めているのは「楽しさ」と「環境」

photo コンテストの様子。問題が解けると目印として風船がつく。こうしたイベントの存在が優秀なプログラマーを生み出すことにつながるのだろう

 今回の取材を通し、学生たちが「楽しさ」や「環境」を求めて競技プログラミングをやっているという印象を受けた。イベントの参加者は本当に楽しそうで、参加者側の想いと、主催者側の狙いがうまくかみ合ったようだ。

 何事も楽しくなければ続かない。それはプログラミングも同じだ。このイベントの大きな目的として「世界で活躍するような優秀なプログラマーが日本からもどんどん生まれてほしい」とリクルートの秋田さんは語っていた。

 コンテスト形式で競争心をあおるだけではなく、友達感覚でコミュニティを広げて楽しんでもらい、プログラミングの世界に興味を持ってもらう――これが、今どきのプログラマーの育て方なのかもしれない。

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