大手学習塾で苦しむ「孤独な教室長」を救った“たった1つの仕掛け”とは?:連載・企業内SNSの“理想と現実”(2/3 ページ)
「教室運営スタッフは自分1人、誰のサポートも期待できない」――そんな状況に苦しむ学習塾社員を救った1つの“仕掛け”とは? 社内ソーシャルの導入事情に詳しいサイボウズ・伊佐政隆氏による寄稿連載の第3回。
そこでこの美容サロンでは、従来から社内グループウェアとして使っていた「サイボウズ ガルーン」が搭載している社内SNS機能「スペース」(※)の利用をスタート。従来のメールに代わり、Web上のコミュニケーション空間で情報をやり取りすることに決めました。
※スペース……プロジェクト進行に必要な「ディスカッション」「共通ToDo」「ファイル共有」をWebブラウザ上で利用できる、サイボウズ ガルーンの社内SNS機能
新店舗開発に携わるプロジェクトメンバーは最初のうちは20人程度ですが、オープン間際になると前述の通り200人程度まで膨れ上がります。そこで同サロンでは、この「スペース」で業務のフェーズごとに各部門担当者が店舗オープンまでの情報を投稿していくことで、その情報を必要としている全員がスピーディーに情報を共有できるようにしました。
その効果はすぐに実感できたようです。それまで一方通行のメールによって属人化されていたプロセスを誰もが確認できるようにしたことで、メンバーが自分に関連するタスクを見落とすリスクを減らせました。さらに、スペース機能ではタスクごとにコミュニケーションの場を分けられるので、さまざまなメンバーが関わる店舗開発業務をテンポよく進めていけるようになったそうです。
ここがポイント:「導入目的」と「使ってもらう工夫」
社内ソーシャル導入の目的
- 新規店舗開発のスピード向上とクオリティの安定化
成功をもたらした工夫
- 使い慣れたグループウェア上に社内ソーシャルの場を用意したこと
- 業務の進行フェーズに合わせて情報共有メンバーを拡大していったこと
大手学習塾で苦しむ「孤独な教室長」を救った“たった1つの仕掛け”
次に、社内ソーシャルシステムによって複数の拠点間でノウハウを共有できるようにした学習塾の事例を紹介します。
全国に2000以上の学習塾を展開するこの会社では、教室長の「孤独」が大きな課題となっていました。というのも、1つの教室に対し、それを切り盛りする正社員は教室長ただ1人。学生アルバイト講師20人と生徒80人をたった1人で管理しなければなりません。
教室長をサポートするエリアマネジャーも担当教室を多数抱えており、1つの教室を訪問できるのは1カ月に1回程度。そのため教室長はエリアマネジャーの手厚いサポートも受けられず、先輩社員からアドバイスを受ける場もなし。自分がどう成長していけばいいか分からない、非常にかわいそうな状況に置かれていました。
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