Twitter、広告収入ほぼ倍増で赤字幅縮小 MAUは伸び悩み
Twitterの10〜12月期決算は、売上高はほぼ倍増の4億7908万ドル、純損失は1億2535万ドルで赤字幅が縮小した。MAUの伸びは引き続き鈍化しているが、タイムラインの閲覧当たりの広告売り上げが60%増加した。
米Twitterは2月5日(現地時間)、2014年第4四半期(10〜12月)の決算を発表した。
売上高は広告収入がほぼ倍増し、前年同期比97%増(約2倍)の4億7908万ドル、GAAPベースの純損失は1億2535万ドル(1株当たり20セント)で、前年同期(5億1147万ドルの赤字)より赤字幅が縮小した。純損失は前期に続き、株式公開に伴う従業員へのストックオプション提供の影響が大きい。そうした特別費用などを除いた非GAAPベースでは7932万ドルの黒字(1株当たり12セント)だった。
売上高、非GAAPベースの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は4億5334万ドル、純利益は1株当たり6セント)を上回った。
月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比20%増、前期からは1%増の2億8800万人だった。MAUの増加率は前期の5%増からさらに鈍化した。モバイルからのMAUがMAU全体に占める割合は前期と変わらず80%だった。
利用頻度を示すタイムラインの閲覧数は23%増の1820億件で、タイムラインの閲覧1000件当たりの広告売上高は60%増の2ドル37セントだった。
広告による売上高は前年同期比97%増の4億3200万ドル。モバイル広告が広告収入全体に占める割合は前期より3ポイント増の88%だった。
データのライセンシングなどからの売上高は105%増の4700万ドル。米国外からの売上高は149%増の1億6400万ドルで、売上高全体の34%を占めた。
2014年通年では、売上高は110%増の14億300万ドル、純損失は1億2532万ドル(1株当たり20セント)、非GAAPベースの純利益は1億107万ドル(前年は3433万ドルの赤字)だった。
ディック・コストロCEOは発表文で「2015年第1四半期の現在、ユーザー数は着実に増加しており、この四半期のユーザー増加率は2014年の最初の四半期と同等になると確信する」と語った。
同社はここ数週間、グループチャット機能の追加や重要なツイートの表示機能など、昨年11月に発表したユーザー数増加・定着化のための施策を立て続けに実施している。
業績発表後の電話会見で米Googleとの新たな契約についての質問を受けたコストロCEOは、TwitterにログインしていないユーザーをTwitterに連れ戻す契機になるだろうと語った。この契約により、Google検索の結果にTwitterのリアルタイム検索結果が表示されるようになる。
また、広告収入増加を狙い、プロモツイートのTwitter外での表示サービスも発表した。
今後の見通しについては、第1四半期の売上高を4億4000万〜4億5000万ドルとした。2015年通年の売上高は23億〜23億5000ドルとした。
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