働きやすいオフィスは作って終わりではない、社員の88%超が「たのしくはたらく」ために:新しい働き方、新しいオフィス(1/2 ページ)
執務エリアの半分をオープンスペースにして、37種類もの机やイスを配置したインテリジェンス ビジネスソリューションズ。2つのITツールが場所や時間に依存しない働き方を支えている。
前回、社内から「会議室」をなくして、来訪客との打ち合わせから社員のボーナス査定までを同じオープンスペースで行うことにしたインテリジェンス ビジネスソリューションズ(以下、IBS)を紹介した。執務エリアの半分近い面積をフリーアドレスとし、営業やコンサルチームの社員は自席を持たない。
それでいて、むしろ社員のコミュニケーションは密接なものになっているという同社。その中心には「はたらくを楽しんでいる」社員を88%にするためにさまざまなアイデアをカタチにする「88推進グループ」という部門を超えた5人組がいる。彼らはどのような施策を打っているのだろうか? 後編では社内コミュニケーションにフォーカスを当てる。
心地よい、働いてみたい、友達に自慢したいオフィス
そもそも同社がオープンスペース中心のオフィスつくりに取り組んだ理由は、社風の異なる2つのグループ会社が統合が背景にあり、社員に一体感をもたらすことだった。そこで同社は「メンタルモデルの打破」――つまり、これまでのオフィスの概念を捨てるところから始めた。
会議室のない、オープンな執務環境「クリエイティブベース」の設計もその一環だ。コンセプトは「脱・個室、脱・予約」で時間生産性を高められること、そして従業員が自主的に適切な働き方を選択できること。
「オフィスにおける協業といってもアイデアを想起する場面、情報共有を行う場面、ディスカッションを深める場面などさまざまです。それまでは『複数人が集まる=会議室』という直列的な思考でしたが、目的に合ったスペースを用意することで、自然と従業員がその仕事の目的をまず考えるようになり、それに最適な場所を選択できるようになりました」(同社広報)
そこには円卓、ダイニングテーブル、ソファ、ハイカンターなどさまざまなタイプや色の机とイスが配置された。イスの種類だけで37通り、脚数にして183脚だ。
「良いアイデアは無機質なオフィスでは生まれません。心身ともにリフレッシュできる場面でこそ生まれます。また、女性や若年層社員が多いということもあり、彼らが『心地よい、働いてみたい、友達に自慢したい』と思えるようなチョイスをしました」
たしかに、天然素材を使ったテーブル、パッチワークの布地を使ったイス、ソファのそばにはオットマン(足置き台)――一般的なオフィスでは見かけない景色だ。
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