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米航空当局、Amazonに配送ドローン試験飛行の制限付き耐空証明を発行
Amazon Prime Airの配送ドローンのテスト飛行を米連邦航空局が許可した。パイロットが目視できる範囲での飛行に限られるなど制限は厳しいが、一歩前進といえるだろう。
米連邦航空局(FAA)は3月19日(現地時間)、米Amazon.comの無人航空機(UAS、いわゆるドローン)に「experimental(実験用)」カテゴリーの耐空証明を発行したと発表した。これにより、Amazonは現在開発中の「Prime Air」のドローンのテスト飛行を米国内で条件付きで実施できる。
Amazonは2013年にPrime Airを発表し、FAAに米国内でのテスト飛行許可を求めていた。
experimentalカテゴリーの耐空証明は、人口密集地や大空港に立ち入らず、商業利用をしないなどの制限付きでテスト機や航空ショーでの飛行に対して発行されるもの。
上空400フィート(約122メートル)以下を日中の有視界気象状態でのみ飛行可能。しかも、無人機のパイロット(操縦士)とオブザーバーが目視できる範囲に限られる。パイロットは商業ライセンスを持つ必要はないが、少なくとも個人免許と航空身体証明書は必要だ。
また、Amazonはテスト飛行の回数や発生した問題などを詳細に記録した月報をFAAに提出することを義務付けられる。
この耐空証明により、(問題が発生しなければ)Amazonは2017年3月末までテスト飛行を続けられる。
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