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リコーが世界中の全事業を可視化できたワケ
リコーのIT/S本部に課せられた新たなミッション、それは新規事業創出や事業成長につながるIT戦略を描くことだった。BI基盤構築のポイントとは?
急激なビジネス環境の変化に対応するため、情報システム部門の役割が変わりつつある。単なるシステム運用管理だけでなく、新規事業創出や事業成長につながるIT戦略を描くことが期待されているのだ。
リコーのIT/S本部に課せられていた役目は、事業構造変革をサポートする情報インフラを構築することだった。今では経営革新本部として再編され、新規事業を創出し、成長させるための経営革新がミッションに加わっている。
世界約200カ国で展開する全事業の経営状況を可視化し、PDCAを回せる分析環境として「リコーマネジメントダッシュボード(RMD)」の構築に取り掛かった。その基盤には、クリック・テクノロジーズの連想型高速インメモリBIプラットフォーム「QlikView」が採用され、2014年5月に300ユーザーで利用が始まった。
その後、データを基点に分析を繰り返し、意思決定していく文化を社内に醸成させるためのデータコンシェルジュという社内向けサービスも立ち上げている。分析アプリケーション構築のアドバイス提供など、データ分析による業務課題解決の推進をサポートする部門だ。
リコーでは、「ダッシュボードのレポート作成工数の大幅な削減に留まらず、ユーザーの気付きを生み出し、思考を深めるためのインプットが期待できる」と評価している。導入からおよそ1年、ユーザー数は800人を超えた。今後、世界で2000人規模まで拡大させる構想を描いている。
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