福島トヨタ、法人営業の効率化のために脱Excel
グループ3社の法人顧客データを統合し、同行営業を戦略化するためにインメモリBIプラットフォーム「QlikView」を導入した。
福島トヨタ自動車は、福島市を中心に21事業所を展開するトヨタ系販売店だ。トヨタやレクサスの販売を中心に、東北の全ディーラーの中でも経常利益でトップクラスにランクインしている。
同社のグループ会社には、レンタカー事業を展開するトヨタレンタリース福島、フォークリフトを扱うトヨタL&F福島がある。しかし、これまで3社は独自のシステムを構築しており、法人顧客データの持ち方や管理方法はバラバラだった。そのため、同一の顧客に対して各社が別々の提案をするなど非効率な営業活動を行っていた。
限られた地域を商圏として持つ自動車ディーラーにとって、顧客接点を増やし最適な提案を行うことはビジネスの生命線。そこでグループ全体で販売実績データを集約し、効果的な営業活動を行うために導入したのが連想型インメモリBIプラットフォーム「QlikView」だった。
導入のポイントとなったのは、異なるシステム間でデータを統合し、容易に共有できるかどうか。特に福島トヨタ自動車の基幹システムはトヨタ自動車が全国のディーラーに提供しているものであり、個別のカスタマイズはできない。QlikView導入までは、データを抜き出してExcel上で表やグラフにまとめていたという。
QlikViewは、利用者自身の発想や疑問に基づいてデータ分析を行うセルフサービス型BIだ。元データに影響を及ぼさずに必要なデータを抜き出し、分析軸を変えながら深堀りできるのが特徴だ。
個人顧客が中心だった福島トヨタ自動車だったが、法人営業を強化するために、もともと法人営業に強かったグループ2社と同行訪問を行うようになった。事前にQlikViewを使って顧客の詳細情報を確認してから訪問を行うなど提案力の強化に役立てている。今後はタブレット端末を導入し、地図データとの連動といったモバイル対応や、人事システムへの活用も視野に入れているという。
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