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全てを取り込むWindows 10のアプリ戦略 Microsoftの切り札とは?Enterprise IT Kaleidoscope(2/4 ページ)

Microsoftの開発者向けイベントではWindows 10に、iOSやAndroidアプリをも取り込んでいく具体的な戦略が示された。Microsoftの“切り札”とはどんなものだろうか――。

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切り札はiOSとAndroidアプリの取り込み

 UWPというフレームワークが搭載されたことで、開発者は容易にアプリを開発していける。しかし、モバイル市場で少数派のWindows OS向けに彼らが積極的にアプリを開発していくのかは非常に疑問だ。そこでMicrosoftが仕掛けた“飛び道具”が、iOSとAndroidのアプリを簡単にWindowsへ移植できるフレームワークだ。iOSやAndroidのアプリが動作できるように新たなサブシステムを用意した。

 このフレームワークは、iOS向けでは「Project Islandwood」、Android向けでは「Project Astoria」と呼ばれる。Project IslandwoodはiOSで使われているObjective C/C++のコード、Project AstoriaはAndroidで使われているJava/C++のコードを、半自動的にUWPAのコードに変換してくれる。さすがに全てのコードを変換してくれるわけではなく、一部に開発者の手を入れる部分は残るが、コードの80〜90%は再利用できるようになっている。

 実際に英King Digital Entertainmentは、同社がリリースしているCandy Crush SagaをWindows Phoneへ移植する際に、Project Islandwoodのアーリーバージョンを利用した。コードの書き換え自体は非常に少なく、移植も簡単だったようだ。

 Microsoftは、Visual StudioにiOS用プラグインを用意し、iOS用アプリを直接コンパイルしてデバッグできるようにする。

 Project IslandwoodやProject Astoriaは、単にコードのポーティングを可能にするだけでなく、iOSやAndroidのAPIをUWPのAPIにマッピングする機能を持つ。例えば、アプリ内部で地図を使っている場合は、Google MapをBing Mapに変換してくれる(強制ではない)。

 またAnalyst Toolを用意することで、どの部分の書き換えが必要になるかなどをアドバイスしてくれる。


Project AstoriaではAndroidのコード(Java/C++)をUWP上で利用できるようにする

Project Astoriaはサブシステムとして、AndroidのAPIをWUPのAPIにマッピングする

Project AstoriaはVisual Studioだけでなく、Android Studio、Eclipseなど開発者が慣れたツールを利用できる

Project Astoriaを使えば、AndroidのアプリをUWPA化してWindows Storeに登録できる

Project IslandwoodはiOSアプリをUWPで動くようにする。

Project IslandwoodはVisual StudioでObjective-Cがサポートされている。Objective-Cのコードをそのままコンパイルできる

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