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5分で分かる、NASの耐障害性を高める「RAID」の種類とその特徴職場で役立つデジタル化レシピ

複数台のハードディスクを組み合わせることで、万一のディスクの障害の際にもデータを復元できるようにする「RAID」。RAIDの基本的な特徴に加え、各RAIDのメリットとデメリット、および実際にドライブを構成した場合に使用できる容量をまとめた。

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 保管コストの削減はもとより、劣化の防止や検索性の向上、再利用の促進などさまざまな利点が認められ、徐々に広がりつつある紙の文書や帳票のデジタルデータ化ですが、用途や目的を考慮せずにむやみにスキャンすることでかえって効率が悪くなったり、作業に手戻りを発生させてしまうことも少なくありません。

 また商法や税法で保管が義務付けられている文書の場合、電子帳簿保存法やe-文書法などのルールに則った手順を踏む必要があり、自分の判断でやみくもにデータ化するわけにいかないといった事情もあります。

 本連載ではこうした現在の状況を踏まえつつ、文書のデータ化にまつわる情報、さらにはフォーマットであるPDFや変換機器であるスキャナ、保存先となるストレージに至るまで、業務現場と情報システム部門に役立つ知識やTips、活用術を幅広く紹介していきます(著者より)


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 複数台のハードディスクを組み合わせることで、万一のディスクの障害の際にもデータを復元できるようにする仕組みが「RAID」だ。エンタープライズ向けの製品ではもはや当たり前の技術だが、最近ではSOHOや家庭で使われる数万円程度のNASでも実装されるケースが増え、専任のシステム管理者でなくとも、設定に携わる機会は増加している。

 今回はRAIDの基本的な特徴の説明に加え、それぞれのRAIDのメリットとデメリット、および実際にドライブを構成した場合に使用できる容量についてまとめてみた。なお特徴をわかりやすくするために説明は極力簡略化しているので、すべての特徴を網羅できていない点はご了承いただきたい。

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RAIDの種類は、NASのセットアップ時に指定する。初期値は、4ドライブのモデルではRAID 5となっていることが多い

RAID 0(ストライピング)

 RAID 0は複数のドライブを合体させ、ひとつのドライブとして使えるようにした仕組み。すべてのドライブを合計した容量がまるごと使えること、また読み書きが高速に行えるメリットこそあるものの、1台のドライブが故障した時点でほかのドライブに保存されたデータの読み書きができなくなるので、ドライブが増えるほど耐障害性も低くなる。

 RAIDとしては例外的な構造ゆえ、名前にも「0」という数字がつけられ、耐障害性を持ったほかのRAIDとは明確に区別されている。耐障害性よりも容量を重視する際に有力な選択肢といえる。

ここが○

 最大の容量を使える、読み書きが高速

ここが×

 耐障害性が低い

容量

 各ドライブの容量を単純に合計した値になるので、以下のようになる。

  • 2TBのドライブが2台の場合=4TB
  • 2TBのドライブが4台の場合=8TB
  • 2TBのドライブが6台の場合=12TB

RAID 1(ミラーリング)

 RAIDとしてはもっともシンプルなのがこのRAID 1だ。2台のドライブを用意して両者にまったく同じデータを書き込む仕組みで、一方に障害が発生した際はもう一方からデータを復元する。

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