Windows 10のエディションにみるデバイス事情:Enterprise IT Kaleidoscope(1/3 ページ)
ついにWindows 10のエディションも発表され、夏のリリースに向けて着々と準備が進んでいる。今回はWindows 10の各エディションと今後のコンピューティング環境を紐解いてみたい。
Windows 10のエディション
Windows 10の種類は、PC向けとしてのWindows 10、モバイルデバイス(スマートフォン)向けのWindows 10 Mobileの2つに大別される。PC向けはコンシューマーユースとしてHome、Proの2種類、企業ユースではEnterpriseの各エディションが用意されている。
Windows 10 Homeは、Windows 10の基本的な機能を持ち、Windows 10 ProはHomeの機能に加えてリモートアクセスやデータ保護、Windows Update for Business、Active Directoryとの連携などスモールビジネス向けの機能を搭載したものだ。
企業向けのEnterpriseは、Windows 10 Proの機能に中・大規模組織に向けた機能が追加される。例えば、セキュリティアップデートだけを受け取る「Long Term Service Branch」(別契約が必要になる可能性もある)、USBメモリからWindows OSを起動するWindows To Goなどの様々な機能だ。この他に、教育機関向けのWindows 10 Educationも存在する。
提供形態は、HomeやProではパッケージやダウンロードなどで販売されるが、EnterpriseはMicrosoftのSoftware Assurance(SA)契約を前提とする。またWindows 7/8/8.1のユーザーに向けに、Windows 10のリリース後1年間は無償アップグレードが提供される予定だ。EnterpriseはSA契約が前提となるため、有償での提供になる。
モバイルデバイス向けのWindows 10 Mobileは、コンシューマーユースのWindows 10 Mobile、企業ユースのWindows 10 Enterprise Mobileが用意されている。Windows 10 Mobileは、Windows Phoneの後継OSとして現在販売されているWindows Phone 8.1からアップデートできる。
また、ARMプロセッサ向けだけではなく、x86プロセッサ向けのOSも計画されている。ただし年内は、ARMプロセッサ向けのコードがリリースされ、x86プロセッサ向けのコードは2016年にずれ込む可能性が噂されている。ARMプロセッサ向けは32ビット版のみだが、将来的にARMとx64プロセッサ向けに64ビット版OSの提供も計画されているようだ。
Microsoftは、Windows 10 Mobileではサイズが8インチ未満のハードウェアをカバーすると考えている。ただしWindows 10もビジネス用途には、7インチ以上のタブレット(コンシューマー用は8インチ以上)などを認めている。
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