倉敷市、ビッグデータで観光客の動きを“見える化” スマホの位置情報活用
倉敷市がスマートフォンの位置情報ビッグデータを活用して“観光客の動き”を可視化したところ、アンケートからは分からない観光客の実態が見えてきた。
アンケートだけでは把握できない“観光客の動き”を、スマホの位置情報ビッグデータで解析――。岡山県倉敷市が、市内を流れる高梁川流域圏域の“人の流れ”の可視化に取り組んだ。
調査は観光や商業、診療圏の実態を把握するために行ったもので、倉敷市の観光地や主要な医療機関、商業施設を訪れた人たちの移動傾向について調査・分析を実施。調査からは、倉敷市中心部は圧倒的な来訪者数を擁しており、送客ポンプの役割を担っているものの、半数以上は日帰りで帰ってしまうことが分かった。また、宿泊については近隣の岡山市に宿泊する割合が高いことが数字で裏付けられたという。倉敷市は、従来のアンケート手法では把握できなかった実態に基づく調査手法により、圏域の弱みと強みを詳細に分析できたと評価している。
倉敷市は、総務省から高梁川流域圏域の経済成長を目的とした「新たな広域連携モデル事業」を受託している。同市は今回の調査結果を受けて、産学官民が一体となった「高梁川流域経済成長戦略会議」を設立し、高梁川流域7市3町における経済分野の成長戦略を策定する計画だ。
なお、同市は今回の調査リポート作成に、KDDIの「Location Trends」を採用している。Location Trendsは、KDDIが取得したauスマートフォンユーザーの位置情報データと属性情報(性別・年齢層)を基にコロプラが分析を行うサービス。分析に使われるデータはKDDIがユーザーから同意の上で取得しており、誰の情報であるか分からない形に加工している。
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