Adobe Acrobat ReaderでPDFが変換できる「Adobe PDF Pack」を使ってみた:職場で役立つデジタル化レシピ(2/2 ページ)
PDFビューア「Adobe Acrobat Reader DC」に、サブスクリプション「Adobe PDF Pack」を追加すれば、OfficeファイルをPDFに変換したり、PDFをWord/Excelに書き戻せるようになる。具体的な使い方を紹介しよう。
PDFの結合
複数のファイルを単一のPDFに結合する機能も用意されている。結合できるファイル数は最大で12ファイルまでなので、それ以上のファイルを結合したい場合は、いくつかを結合して総数を減らした後に、再度結合を行うとよい。
署名機能
他のユーザーに電子署名を依頼したり、その返答の有無を管理する機能も追加される。Acrobatではおなじみの機能だが、署名文化のない日本ではあまり利用頻度は高くないだろう。ちなみにこの機能も単体での契約が可能だ(Adobe Send for Signature)。また、規定の手順で送信したPDFがきちんと相手に届いたかどうかを確認できるトラッキングサービスも、単体で契約できる(Adobe Send & Track)。
PDF Packは買いなのか
一通りの機能を使ってみて分かったのは、PDF Packが提供するのはあくまでもPDFの「変換」機能であって、「編集」する機能ではないということだ。またクラウド経由で変換するため、Acrobat DCと同じ操作性で使えると思っていると、そのギャップに戸惑うことになる。
また、ビジネスユースでは欠かせないパスワード暗号化や、対外公開では必須となるプロパティ内の作成者名の削除といった機能は使えない点にも注意が必要だ。こうしたことから、ビジネスで使うならやはり、Acrobat DCが欠かせないというのが、今回使ってみた感想だ。
とはいえ、スタッフが多い環境で、一人ひとりにAcrobat DCを導入するとなると、そのコストはかなりのものになる。すでにオフィスにAcrobat DCが何本か導入されており、社外配布を前提としたPDFはそちらで作成できる場合、安価な本サブスクリプションを導入してスタッフ個々人がPDFを変換できる環境を整える――という選択肢はあるだろう。
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