1つのPDFを複数のファイルに分割したい場合は:ビジネスの悩みを解決するPDFドリル
異なる種類の書類をまとめてスキャンしてしまい、全書類が1つのPDFに合体してしまったという場合、Adobe Acrobat XI Proの「抽出」ツールや「文書を分割」ツールを使えば、ページ単位で効率的に分割できる。
ドキュメントスキャナで書類をスキャンする際、異なる種類の書類をうっかりまとめてスキャンしてしまい、1つのPDFファイルに合体してしまった、ということがある。もう一度スキャンするのは手間だし、かといってそのままではファイル名を付けて分類するのが難しい。
こうした場合、Adobe Acrobat XI Proを使ってページごとに分割すれば、わざわざスキャンし直さなくても済む。やり方はいくつかあるが、大きく分けると、(1)任意のページだけを別ファイルとして抽出する方法と、(2)全体を1ページごとに分割してから必要に応じてつなぎ合わせる方法、この2通りを知っておけば、おおむねどのようなケースにも対応できるだろう。
(1)については、「表示」→「ツール」→「ページ」→「抽出」を選択し、取り出したいページを指定したうえで、「抽出後にページを削除」「ページを個別のファイルとして抽出」にチェックを入れるとよい。他にも、Webサービスの「SplitPDF」を使い、元ファイルから指定ページだけを切り出す方法もあるが、Webサービスであるが故にファイルをアップロードする時間がかかるのと、容量制限があることは注意したい。
(2)については、「表示」→「ツール」→「ページ」→「文書を分割」を選択し、ページ数を「1」に設定すれば、複数ページのPDFを1ページずつのPDFに分割できる。異なる種類の書類をまとめてスキャンしたために1つのPDFファイルに合体してしまった場合でも、この方法を使えば1ページずつに分けられるので、その後必要に応じてマージすればよい。ファイル名も細かく指定できる。
このワザを応用すれば、スキャンの段階では区別なくまとめてスキャンし、あとから分割する作業の進め方も可能になる。例えばスキャナが自身の所有物ではなくどこかから借りた物で、作業をなるべく短時間で終えなくてはいけないといった場合、この方法を使えばスキャナを占有する時間を短くできるはずだ。
連載「ビジネスの悩みを解決するPDFドリル」とは
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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