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水道管の水漏れ、“センサー×ビッグデータ”で早期発見 NECが実証実験
上水道管の漏水、センサーとクラウドの活用で早期発見へ――。NECが米テキサスの水道局と共同で実証実験を実施。有効性を確認した。
水道管の老朽化に伴う漏水、センサーとクラウドで早期発見へ――。NECと米テキサス州・アーリントン市の水道局が実施したセンサー活用の実証実験で、有効性が確認されたことが分かった。
この漏水監視サービスは、上水道管に漏水の微細な振動を把握できる通信機能付センサーを接続し、センサーから得られた大量のデータ(ビッグデータ)をクラウドシステムで解析するもの。2014年11月から、アーリントン市で実際に使われている上水道を使った実証実験を行った。
実験では、アーリントン市内の2カ所のエリアを選び、上水道に計33個のセンサーを設置。実験を通じて3件の漏水を誤差数メートル以内で検知することに成功した。
米国ではライフラインの老朽化が進み、維持や管理に多大な労力とコストがかかっている。アーリントン市も上水道管の老朽化に伴う漏水対策が急務となっており、漏水音を保守員が専用の器具を使って耳で確認する従来の漏水調査では、広大な管路の状態変化をタイムリーに把握するのが難しいという課題を抱えていた。
実証実験の成功を受けて、NECとアーリントン市は「漏水監視サービス」の本格導入に向けた検討を行っている。
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