Windows 10のBingで「Chrome」か「Firefox」を検索すると「Edge」を勧められる
Windows 10のリリースから約1カ月。デフォルトWebブラウザ「Microsoft Edge」の利用率はWindows 10ユーザーのわずか14.5%と報じられる中、MicrosoftがBingでの「Chrome」や「Firefox」の検索結果にEdgeを推奨する告知を表示している。
米Microsoftが7月29日にリリースした「Windows 10」のBing検索で、「Chrome」あるいは「Firefox」と検索すると、検索結果のトップに「MicrosoftはWindows 10のMicrosoft Edgeをお勧めします」という告知が表示されることがある。米VentureBeatが9月4日(現地時間)に報じた。
本稿筆者が確認したところ、日本語版Bingでは表示されなかったが、英語版Bingでの「Chrome」の検索結果に告知が表示された。
必ず表示されるわけではないようで、表示されないこともあった。また、「Firefox」の検索では数回試した範囲では表示できなかった。
告知にある「Learn why(その理由は)」をクリックすると、「Bing and Microsoft Edge」というEdgeの長所を説明するページに飛ぶ(このページの日本語版はない)。
Edgeは、MicrosoftがWindows 10のデフォルトブラウザと位置付ける新Webブラウザ。Windows 10へのアップグレードの際、デフォルトブラウザの選択を促すような画面は出ずに、ほぼ自動的にEdgeがデフォルトになるため、競合するWebブラウザのFirefoxを提供するMozillaが苦言を呈した。このプロセスは現在も変わっていない。
それでも、Windows 10でのEdgeの利用シェアがかなり低いことが、アイルランドのアクセス解析サービス企業StatCounterの調査で明らかになった。
同社が9月1日に公開した、7月24日〜8月31日のWindows 10ユーザーによるWebブラウザ利用状況のグラフによると、Edgeの利用シェアは7月30日(リリース翌日)の20.09%をピークに下がり続け、8月31日には14.5%になった。つまり、Windows 10へのアップグレード後に一旦Edgeを使ってみたユーザーも、その後他のブラウザに移行したことを意味する。
Windows 10で圧倒的に使われているのは米GoogleのChrome(8月31日のシェアは60.4%)で、次はMozillaのFirefox(同シェアは17.28%)だった。
なお、検索結果で自社製品を推奨するのはMicrosoftだけの行為ではない。MicrosoftのInternet Explorer(IE)でGoogle検索を起動すると、以下のようにChromeを推奨する告知が表示される。
関連記事
- Windows 10、リリースから約4週間で7500万台がアップグレード
Microsoftの幹部が、「Windows 10」がリリース後約1カ月で7500万台の端末にインストールされたとツイートした。有料だった「Windows 8」の発売後1カ月の販売数は4000万本だった。 - Windows 10で「Edge」をデフォルトブラウザにしたMicrosoftにMozillaが苦言
Windows 10にアップグレードすると、それまでFirefoxを使っていた環境でもEdgeがデフォルトブラウザになってしまうのはユーザーを混乱させるとして、MozillaのCEOがMicrosoftのサティア・ナデラCEOに公開書簡で仕様変更を強く要請した。 - Microsoftの新Webブラウザ(コードネーム:Spartan)の名称は「Edge」に
「Project Spartan」と呼ばれていた「Windows 10」の標準Webブラウザの正式名称は「Microsoft Edge」になった。「消費と創造の接線(エッジ)」にあるブラウザだ。 - Windows 10は7月29日リリース
「Windows 10」を7月29日にリリースするとMicrosoftが発表した。日本を含む190カ国で提供する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.