「パスワードよりもPINが安全」を鵜呑みにできない理由:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
Windowsへのログインのとき、パスワードよりもPIN(暗証番号)を推奨するマイクロソフト。「長いパスワードよりも安全」とうたっていますが、果たしてそれは本当なのでしょうか――。
Windows 10がリリースされ1カ月が過ぎました。これまでのWindowsで、リリース直後にアップグレードする人はほとんどいなかったように思えますが、個人で使うPCにおいては「アップグレードしたよ、なかなか便利」という声を私の回りでも多く聞きます。お仕事で使うPCに普及するのはまだまだ先でしょうが、なかなか幸先のいいスタートなのではないでしょうか。
パスワードよりも「暗証番号」がおすすめ?
私も物理的なPCはほぼWindows 10にアップグレードが完了し、いまは仮想環境のWindowsをアップグレードしています。試しにクリーンインストールしたところ、アカウントの作成時にこんな画面が表示されました。
新たなユーザーを作り、パスワードを設定したところで、画面に表示されたのはパスワードよりPINがおすすめですという文言。ここでいうPINとは、数字を使った、いわば「暗証番号」。解説にはその理由へのリンクがあり、「PINはこのデバイスでしか動作しないからです」がそのおすすめの理由。うーん、これホント?
このPINによるログインはWindows 8/8.1から用意されているようですが、このような解説は初めて見ました。「このデバイスでしか動作しない」とは、つまり設定したPINがインターネット上には送信されないということでしょう。いろいろと想像をめぐらせた結果、セットアップ中の仮想環境内においてはPINを設定しましたが、この説明はちょっと問題があるように思えます。
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