99.99%稼働保証のクラウド、イージェネラが基幹業務向けに国内でも
「PAN Manager」に定評があるイージェネラが99.99%という高い稼働率を保証するクラウドサービス「Xterity」を国内でもパートナー経由で提供、安価な災害復旧サービスも用意する。
イージェネラは10月1日、企業の基幹業務向けに高いサービスレベルを保証するクラウドサービス「Xterity」を北米に次いで日本国内でも提供することを明らかにした。
投資銀行最大手のGoldman SachsでCTOを務めたバーン・ブローネル氏が2000年に創業したイージェネラは、ストレージやネットワークも含めた仮想化ソフトウェア「PAN Manager」に定評があり、ミッションクリティカルなシステムが求められる金融業界で多くの顧客から支持されてきた。
ハードウェアのコモディティー化とクラウド化の波を受け、自社独自のブレードサーバである「BladeFrame」の出荷は既に終了しているが、マルチベンダーの機器で構成されるデータセンターの資源を丸ごとプール化し、物理サーバ・仮想サーバを問わずプロビジョニングする技術には磨きが掛けられており、その強みも増している。
Xterityの最大の特徴は、その高いサービスレベルだ。世界レベルでデータセンター事業を展開するEquinixと提携、99.99%の稼働率を保証するとともに、直販ではなく、全てパートナーが付加価値を付けて提供していく。企業に普及しているVMwareの仮想環境をそのままXterityのクラウド環境に移行できるほか、Equinixのサービスを利用し、AWS(Amazon Web Services)をはじめとするクラウドとも直接接続できるという。
当面、イージェネラがXterityで用意するサービスは、IaaSとDRaaS(Disaster Recovery as a Service)の2つ。DRaaSでは、定期的にオンプレミスのデータをXterityにバックアップ、障害時にはユーザー企業の依頼に基づき、あらかじめ用意したイメージでサーバをクラウド上に立ち上げ、引き続きデータにアクセスできるようにしてくれる。災害対策としては比較的安価で済むと同時に、復旧のプロセスの多くをイージェネラやパートナーが行うため、手間も掛からないという。
ユーザーであり、また、パートナーでもある大和総研の鈴木副社長は、「PAN Managerが提供してきた堅牢なソリューションをクラウドとして提供するXterityは、自前のハードウェアを持たず、管理作業からも解放されるという“システム構築の新たな選択肢”を提供してくれる」と話す。
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