数学女子はSEになり、やがてチームを信頼し凄腕のプロマネになる――土本光恵さん:「プロジェクトマネジャー」の極意(3/3 ページ)
IT系のプロジェクトマネジャーというと、気苦労が多く“自分には向かない”と敬遠してしまう人もいるかもしれない。しかし、その仕事を楽しめる人がいるのも事実だ。10年近くプロマネを務めている“プロ”に、その極意を聞いてみた。
仕事も遊びも「全力で楽しむ」
忙しい仕事をこなしていく一方で、休みの日はそれ以上に“パワフル”に過ごしている。趣味はゴルフと旅行。「シャンパンブランチ(シャンパン飲み放題のビュッフェ)」を目当てに週末シンガポールに行き、月曜の朝に帰国しキャリーバッグを持ったまま会社へ――という弾丸ツアーを決行したこともあるそうだ。
「休日に何もしていないと、もったいないと思ってしまうんですよね。仕事も遊びも『全力で楽しむ』ことを大切にしています。旅行好きなのは“変化が楽しい”と思っているところがあると思います。海外赴任も含めて、社会人になってから5回ほど引っ越しをしていますが、その先々で新しい出会いがあって楽しかったです」(土本さん)
旅行や引っ越しなど、大きなイベントがあるときにはWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)を作ってしまうという。「抜けや漏れがあるんじゃないかと心配になって……」とのことで、こんなところにもプロジェクトマネジャーとしてのこだわりがうかがえる。
プロジェクトは「人」が全て、信頼してほしいから信頼する
仕事も遊びも全力で――こうして10年近くプロジェクトマネジャーとして走り続けてきた土本さんは、さまざまなプロジェクトに関わる中で、プロジェクトは「人」が全てだと考えるようになったという。
「システム運用を提供するというサービスは形として残らないため、価値をどう示すかが重要です。サービスを提供した結果、業務の変革という価値を生み出すのは全て“人”です。だからこそ、プロジェクトを進める上では人間関係や信頼が最も大切だと思っています」(土本さん)
クライアントとの関係も非常に大切だが、プロジェクトである以上、それと同様にチーム内の人間関係も大切だ。土本さんはチームのメンバーに全幅の信頼をおいているという。「自分1人でできることは限られています。メンバーのことは信頼しているので、彼らが失敗することがあれば自分が謝りますし、成果が出たらそれは全員のもの。メンバーに信頼してもらいたいから、自分が信頼するということを大事にしています」(土本さん)
今後は、より会社の方針やビジョンが見える仕事にも興味があるという土本さん。しかし、その前にもう一度大きなプロジェクトのマネジメントがしたいという。
「今はサーバ運用に携わっていますが、IBMが提供するサービスは幅広いので、さらに責任範囲が広い案件にもチャレンジしたいと思っています。あんまり人には信じてもらえないんですが、いつでも“今が一番楽しい”と思っているんです。変わっているとは言われますけどね」(土本さん)
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