やばっ、アレの調達で情シスとのバトル、勃発か?:女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記(3/3 ページ)
いよいよPMBOKの勉強も最後の章に突入! 今度は調達マネジメント? でも、在宅ヘルプデスクは調達するようなものってないような……。いやいや、とっても大事なモノを忘れてた。これって情シスの反発、必至かも……。
とはいえ、コアな情報にアクセスさせることに対して、情報システム課が反対するのは分かる気がする。
そうそう、それと同時に私も反省しなきゃらならない。普段、何げなく触っているからあまり気にしていなかったけれど、会社の情報は会社の大切な「財産」だ。あまりに近すぎてついつ雑に扱いがちだけれど、きちんと「守る」ことを頭の片隅に置いておかないとね。
こういうことってよくあるよね。私はちょっと前に、大切なものをなくしたばかり。持っていた頃はけっこう雑に扱っていたけれど、なくしてみるとその大切さが分かるのよねぇ。
そんなことを考えながら視線を上げると、Aさんは持ってきた資料を一心不乱に読んでいる。私が考えている間、私に声をかけたり質問したりすることなく、いい意味で「放置」してくれる。この人のこういうところは天然なのかしら? それとも「デキル男」なのか? 不思議な上司であることには間違いない。
わたし で、打ち合わせは何時から、どこで行う予定ですか?
Aさん ん? ああ、14時からミーティングルームで。
わたし 分かりました。
珍しく、上司と部下らしいまじめな言葉を交わして、その場は終了。ひとまず、自分のデスクに戻ってセキュリティ上の問題点などをチェックしておこう。
調達が必要となると、調達計画をしっかり立てなければならない。調達マネジメント計画では、「プロジェクト組織の外部からのプロダクト、サービス、所産を最善としてまたは義務として調達することによって満たすことができるプロジェクト・ニーズが何かを明らかにする」んだって。
後半が難しい文章よねぇ。今回の場合、不正アクセスや情報漏えいがないように、情報セキュリティの強化に関するプロダクトやサービスを調達することになる。しかし、残念なことにこっち方面について私は明るくない。そこはさすがにPMBOK。調達マネジメント計画のツールに、ちゃんと「専門家の判断」や「会議」が含まれている。だからAさんは情報システム課との打ち合わせをセッティングしてくれたのだ。
デスクに戻ると、私たちヘルプデスクが普段、どのようなデータを扱っているか、念のために確認してみた。せめてどんなデータを扱っているか確認しておかないと、午後の打ち合わせに支障を来すかもと思ったのだ。
とはいえ、セキュリティ方面にあまり明るくない以上、専門家である情報システム課の提案をとにかく聞いて、それが妥当かどうかの判断をするしかない。判断できるかなぁ。不安だなぁ。まぁ、それも情報システム課にぶつけてみるしかないかな。私がプロジェクトマネジャー初心者であることもシステムに明るくないことも、情報システム課の人は知っているしね。
となると、分からないものは分からないと素直に教えを乞うほうがいい気がする。あ、そうか、相手とどう接するか、ということを考えるのも、ステークホルダー・マネジメントの一環なんだ。納得納得。
よし、すっきりしてきた。いや、まだ終わったわけじゃないのよ。これから始まるのよ、調達マネジメントは。なんだかこう、考えや方向性がまとまった時点で、全てが終わったかのような勘違いをする傾向があるなぁ、私。こういうことってよくあるよね、例えば…… もういいって?
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