変革に挑むリーダーの支えが生きがい、“出会い系コンサルタント”の素顔――國生恭子さん:「コンサルタント」という生き方(4/4 ページ)
顧客が抱える課題の解決策を提供する職業、コンサルタント。名乗れば誰でもなれる職業ではあるが、その実態はよく分からないという人も多いのでは。今回はリピート率100%という驚異の実績を持つ“プロ”にその仕事内容とこだわりを聞いた。
コンサルタントの“品格”
自らの得意分野を切り開き、コンサルタントとしての人生を謳歌している國生さん。そんな彼女に「コンサルタントに向く人」はどういう人なのか聞いてみた。
「何より人の役に立つのがうれしい人ですかね。自分が時間や労力をかけてでも、相手をもてなすのが苦にならない、楽しいと思える人が向いているのではないでしょうか。私自身は小さいころに、仕事で忙しい父と、それを支える母がお互いに大事にし合っているのを見ていて、“尽くす”ことの素晴らしさを感じましたし、今でもその影響を強く受けていると思います」(國生さん)
彼女の“尽くす”という思いは、相手への共感から生まれている。この共感こそが仕事への原動力であり、プロジェクトを進めるための要件なのだという。「コンサルタントは常に臨機応変に対応しなければならないぶん、クライアントの真の目的や思いをしっかりと共有することが必要だと感じます。これこそが“ぶれない軸”となり、共に戦う覚悟ができるわけです」と國生さんは強調する。
そして、考えるのが好きなことも重要な資質となる。相手と同じことができるだけでは、価値にならない――。クライアントと異なる視点を持って、考え続けることが最終的に価値を生み出すと國生さんは話す。「もっと良くなるにはどうしたらいいか」ということについて、周りの人々の力も借りながら、辛抱強く考え抜くことが大事だという。
「寝ているときも考えているらしく、アイデアを思い付いて起きることもしばしばあります。もちろん大変なことも多いですが、疲れを感じるどころか、この仕事を始めてから、今までで一番元気で楽しくて……。仕事というより、生きがいなんですね」(國生さん)
「学生のときは失恋のショックで留年するなど、まったく自分に自信が持てなかった」という彼女はコンサルタントという仕事を通じて、人生が変わったと話す。今後はそんな経験を後輩に与えられればと考えているそうだ。
「偶然の連続ではありましたが、自分の“才能”を見いだして仕事へと生かしてくれたのは上司や先輩たち。人と出会って初めて仕事になるのがコンサルタントです。今度は自分が後輩たちにそんな機会を提供できたらと。もちろん、狙ってできるものではないんですけどね」(國生さん)
関連記事
- NTTコムウェアが“タレントマネジメント”を導入した理由
社員一人一人の資質に焦点を当て、埋もれた人材を発掘する――。今、社内の人材を有効活用する人事戦略「タレントマネジメント」が注目を集めている。NTTコムウェアでは、クラウドを使って社員のスキルを可視化する新人事システムを構築しようとしている。その理由とは? - 戦略コンサルの基本「仮説検証プロセス」
前回「システム開発は『戦略立案』から始まる」は、「戦略とは何か」から始めて、戦略コンサルティングプロジェクトの進め方や戦略コンサルタントの意義などの一般論を述べた。今回は具体的な事例を通じて、戦略コンサルティングの仕事の内容を紹介する。 - 「プロジェクトマネジャー」の極意:数学女子はSEになり、やがてチームを信頼し凄腕のプロマネになる――土本光恵さん
IT系のプロジェクトマネジャーというと、気苦労が多く“自分には向かない”と敬遠してしまう人もいるかもしれない。しかし、その仕事を楽しめる人がいるのも事実だ。10年近くプロマネを務めている“プロ”に、その極意を聞いてみた。 - 「自然言語処理」のプロに聞く:世界の言語をつなぎ、国を越えて仲良く話せる人を増やしたい――金山博さん
人間の話し言葉を分析する「自然言語処理」が注目を集めている。耳慣れない言葉かもしれないが、Siriやしゃべってコンシェルなど、私たちは知らず知らずのうちにその恩恵を受けているのだ。そこで「Watson」のシステムを支える研究員に、自然言語処理の面白さと未来について聞いてみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.