Dellのセキュリティ製品にAI搭載、攻撃防御率「99%」
「従来のようなウイルス定義ファイルを使ったマルウェア対策では、もはや顧客のニーズに適切に対応できなくなった」とDellは指摘する。
米Dellは11月17日、新興のセキュリティ企業米Cylanceとの提携を発表した。Cylanceの技術を取り入れたエンドポイントセキュリティ製品は、マルウェアやAPT(持続型・標的型攻撃)、標的型攻撃、ゼロデイ攻撃に対して99%の効果を発揮するとしている。
Cylanceは人工知能(AI)を使って、APT攻撃やマルウェアの予防を目指すセキュリティ企業。Dellの出資を受けている。Dellはこの技術をエンドポイントセキュリティ製品「Dell Data Protection」「Endpoint Security Suite Enterprise」に採用。「包括的なセキュリティ製品を提供する唯一の大手PCメーカーになる」と強調した。
法人向けのEndpoint Security Suite Enterpriseでは、APT攻撃やゼロデイ攻撃を含むマルウェア、スクリプティング攻撃、スピアフィッシングやランサムウェアなどの標的型攻撃の防止を図る。Cylanceのテストでは、99%の確率でマルウェアやAPT攻撃を阻止できることが分かったと説明している。
これに対して従来型のウイルス対策製品で阻止できる確率は平均50%にとどまったといい、「従来のようなウイルス定義ファイルを使ったマイルウェア対策では、もはや顧客のニーズに適切に対応できなくなった」と同社は指摘する。
Endpoint Security Suite Enterpriseでは定義ファイルの更新が不要で誤検知は少なく、ITリソースの消費も大幅に抑えられるとしている。認証や暗号化などの機能も提供する。
また、同社のPC「Latitude」「OptiPlex」には、Dell Data Protectionスイートを搭載予定。両製品とも2016年初めごろから米国などの各国で提供を開始する。
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