Wintelの再来? マイクロソフトとインテルのIoT戦略:Weekly Memo(1/2 ページ)
マイクロソフトとインテルが相次いでIoT事業戦略を明らかにした。両社とも「プラットフォーム」を抑えるのが狙いだ。かつてPC市場で築いた“Wintel”時代の再来なるか?
マイクロソフトが掲げる「UWP」とは
マイクロソフトとインテルが11月17日、相次いでIoT(Internet of Things)事業戦略を明らかにした。マイクロソフトは同日の午前に記者会見を開き、インテルは午後に開催したプライベートイベントで、それぞれのIoT事業における取り組みについて最新動向を説明した。
マイクロソフトとインテルといえば、かつてインテル製マイクロプロセッサとマイクロソフト製Windows OSを搭載したPCが事実上の業界標準になったことから、WindowsとIntelを合成した“Wintel”という言葉が両社の協力関係と存在感の大きさを象徴していた。
そんな両社が描くIoT事業戦略とはどのようなものか。はたまたWintel時代が再び到来することはあり得るのか。それを探るつもりで、偶然にも同日開かれた両社のプレゼンの場に出向いてみた。
まず、日本マイクロソフトが開いた記者会見では、米MicrosoftからIoT事業部門のセールス&マーケティング担当であるロドニー・クラーク氏およびテクニカルセールス担当であるカール・コーケン氏という2人のゼネラルマネージャーが来日し、営業と技術の両面から説明を行った。
クラーク氏はマイクロソフトのIoT事業について、「Windowsはこれまで20年以上にわたって各種機器への組み込み用OSとしても広く使われてきた。当社のIoT事業はそれをベースにしながら、クラウド基盤であるAzureとも密接に連携させ、IoTに対して包括的なソリューションを提供していくのが基本的な戦略だ」と語った。
また、コーケン氏は技術的な観点から「当社のIoT事業における最大の特徴は、Windowsという1つの共通コードによって、どんなデバイスでも同じアプリに対応できる“ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)”を提供していることだ。これによって、非常に投資効果の高いIoTの開発・実行環境を実現している」と強調した。
同社は、UWPの概要(図1)についてはかねて明らかにしており、今回はその最新OSとなるWindows 10のIoTエディションやUWPに関連する各種機能の強化についての新たな発表を行った。ただ、キーワードはUWP、すなわちプラットフォームを抑えることが、同社のIoT事業戦略の“要”であることは明白だ。
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