第12回 Docker環境のバックアップツール「Convoy」を試す:古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(1/3 ページ)
前回はDocker環境のデータの管理に役立つ「Convoy」を紹介しました。今回は実際にConvoyを使ってどのようなことができるのかを解説します。
Docker環境でスナップショットを取ってみよう
前回はConvoyの概要やIT基盤におけるストレージ利用の課題などをひも解きました。今回はConvoyを使って、Docker環境におけるボリュームのスナップショットの取得、リストアなどの具体的な手順を紹介します。なお、Convoyの利用にはDocker 1.8以上が必要です。本記事はCentOS 7.1で稼働するDocker環境を例に解説します。筆者の環境では2015年11月下旬時点での最新のDocker 1.9.0でConvoyを動かしてみました。興味のある方は、以下のURLを参考に最新版のDockerで挑戦してみてください。
Dockerの最新版に関する情報源:GitHub docker
Docker環境を準備できたら、ホストOS上で、wgetコマンドを使ってConvoyの最新版を入手します。以下では、Dockerホストでのコマンドプロンプトを「#」で表すとします。
# wget https://github.com/rancher/convoy/releases/download/v0.3/convoy.tar.gz
Convoyの最新版については、こちらのURLに情報が掲載されています。バージョン情報や簡単な導入方法が記載されていますので、一読をお勧めします。
入手した最新版のConvoyをホストOS上に展開し、ConvoyをDockerのプラグインとして登録します。
# tar xvf convoy.tar.gz # cp convoy/convoy convoy/convoy-pdata_tools /usr/local/bin/ # mkdir -p /etc/docker/plugins/ # echo "unix:///var/run/convoy/convoy.sock" > /etc/docker/plugins/convoy.spec
Convoyが管理に必要なボリュームとメタデータを作成します。
# truncate -s 100G data.vol # truncate -s 1G metadata.vol # losetup /dev/loop5 data.vol # losetup /dev/loop6 metadata.vol
Dockerが稼働するホストOSにおいて、Convoyをデーモンとして起動します。
# convoy daemon --drivers devicemapper --driver-opts dm.datadev=/dev/loop5 --driver-opts dm.metadatadev=/dev/loop6 &
以上で、ConvoyがホストOS上でデーモンとして稼働し、Docker環境におけるボリュームのバックアップ/リストアができるようになりました。
関連記事
- 【古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」】バックナンバー
- 第11回 Docker環境のバックアップをラクにする「Convoy」とは?
Docker環境のバックアップ/リストアは、物理サーバやハイパーバイザー型の仮想化基盤に比べて、異なる点が多くあります。今回はDockerコミュニティーの間で注目されている「Convoy(コンボイ)」を紹介します。 - 第2回 chroot/Dockerを手元のWindowsで手軽に試す方法
なぜ企業がDockerに着目するのか、今後の“攻めのIT”に必要と言われているのか。今回はこれをふまえ、簡単にざっくりと体験学習してみませんか。今回は準備編として、CentOS 7.xをお手元のWindows PCで手軽に試す方法を簡単に紹介します。 - ゲームもレースもビッグデータ分析で上手くなる!?
企業の“ビッグデータ活用”への期待度は高い。しかし、現実には「ビッグデータは持っているが活用はできていない」という企業がほとんどだろう。ここでは、思いがけない方法でビッグデータ分析を活用している事例などを紹介する。 - クラウドエバンジェリスト4者対談:「エンタープライズクラウド」は、どこへ向かうのか?
エンタープライズ領域におけるクラウド利用がいよいよ本格的に普及段階に入った。その理由と背景は何か。自社は、導入をどう考えればよいか。主要ベンダーのクラウド関連エバンジェリストに、現状とその未来を分析してもらった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.