Facebook、悪意のない偽名ユーザーのための改善を米国でテスト開始
実名ポリシーを貫くFacebookが、ストーキング回避や通り名など、何らかの事情で偽名を使っているユーザーが例外的に偽名を使えるようにするための改善のテストを米国で開始した。
米Facebookは12月15日(現地時間)、事情があって偽名でアカウントを登録しているユーザーの便宜を図る2つの改善のテストを米国で開始したと発表した。
同社は立ち上げ当初から、「責任ある発言や行動を促す」目的で、実名での登録を義務付けている。偽名での登録を認めると、匿名性を悪用していじめや嫌がらせに使われたり、なりすましに使われたりする可能性があるからだ。
だが昨年10月、多数の悪意のない非実名ユーザーのアカウントを停止した際に起きた抗議運動をきっかけに、芸名や本人が日常生活で使っている通り名での登録も認めるようになった。
同社は悪意のある偽名での登録を減らす目的で、第三者が偽名とみられるアカウントをFacebookに報告する機能を提供している。Facebookはこうした報告などに基いて、ユーザーに名前の確認を求めることもある。
今回発表された改善の1つ目は、この偽名報告プロセスに報告理由を詳細に記述するステップを追加すること。これにより、安易な報告を減らせると同社は説明する。
2つ目の改善は、Facebookがアカウント名の確認を求める際、ユーザーがその名前を使っている事情を説明する機会を設けることだ。確認画面では、偽名を使っている理由として、いじめやストーキングの回避のため、LGBT的な理由、(抑圧された)少数民族、その他、という選択肢と、オプションで特殊な事情を説明する場が設けられている。
なんらかの身分証明が必要なことは従来通りだが、この説明により、Facebookは名前が適切かどうかを判断しやすくなるとしている。
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