FinTech、IoT、セキュリティ――ハギー流の2016年占い:萩原栄幸の情報セキュリティ相談室(1/3 ページ)
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。今回は筆者の本業である企業コンサルタントの視点から2016年のITトレンドやセキュリティの状況を予想してみたい。
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、筆者は銀行を辞めて8年が経過し、その間にさまざまな企業でコンサルタントを実施してきた。今回は本業のコンサルタントとしての視点で、2016年に顕著な動きがあると思われる要素をいくつかご紹介したい。
FinTech(フィンテック)
筆者がこの言葉を知ったのは2013年。そして、2015年のはじめからブレークし続けているバズワードである。その成長ぶりは、多分どのキーワードも負けてしまうほどだ。米国のある試算では何と、あと数年で関連する投資規模が1兆ドルを超えるのではないかという。たった1年でこの動きはあり得ないと思ったくらいである。現場にいると、どの金融機関、いや、どの業種でも役員や管理者からこのバズワードについて聞かれる。セミナーの講演依頼も後を絶たず、常に予想の5割ほどは受講者が多い。
このバズワードに関してITmediaでもいくつか解説されているが、「financial」(金融)と「technology」(技術)の造語ではあるものの、全ての業種、業態に関係し、産業革命に匹敵するほどに大きな影響力を持つという。筆者は「そこまでのものか?」と一部疑いを持っているが、現状の動向を分析すると信じるに値すると言わざるを得ない。
言葉の意味を何回も考えてみたが、どうにもうまく定義付けができない。著名人や先生方の記事を読んでみても、実際に自分がいくつかのコンサルタント先で実作業をしたり、SIerの提案書・企画書などの分析を行ったりしても、申し訳ないがぴったりと当てはまるものはない。
この「FinTech」についてはあまりにも幅が広く、解説する人たちの立ち位置(官公庁の関係者、経営者、学者、SE、金融エンジニア、メーカーの技術者、ITベンチャーの経営者兼技術者など)によってかなり異なる。具体的過ぎていたり、抽象的過ぎていたり、結論があいまいになっていたりするものが多いのだ。
ある意味、みな「正解」なのだろう。いわゆる「群盲象を評す」(数人の盲人たちが象の一部だけを触って感想を語り合うという、インド発祥の寓話のこと)に陥っているような気がする。本稿ではこの内容についての解説は割愛させていただくが、2016年はさまざまな業種で激震を起こす主役にまで台頭するような気がしてならない。FinTechについては近いうちに筆者の立ち位置から記載したい。
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