第40回 「人月単価」で雇われるITコンサルタント:テクノロジーエバンジェリスト 小川大地の「ここが変だよ!? 日本のITインフラ」(1/2 ページ)
以前にプリセールスとコンサルタントの違いについて考えてみましたが、今回は“お金”の点からこの違いについてご紹介してみたいと思います。
先日、見覚えのあるタイトルの社内メールが届きました。
「2017年度新卒採用 会社説明会へのご協力のお願い」
一年が経つのは早いもので、また就職活動の季節が近づいてきたわけです。本連載では、ちょうど1年前くらいに、いまいち何者か分かりづらいレアキャラな「プリセールス」について解説しました。今年も少し職業話をしてみましょう。
今回は、学生さんの“なりたい職業”でもランキングされる「コンサルタント」。経営コンサルタントや不動産コンサルタントなど様々ありますが、ITコンサルタントにフォーカスを当てて “ココ変”を考えてみます。
「有償」と「無償」の境界線
以前もご説明したとおり、プリセールスとITコンサルタントの違いは「お金を取るか取らないか」だと考えます。双方ともITシステムの導入に関するアドバイザー的な職務ですが、前者は無償の範囲を担当し、後者は有償の範囲を担うわけです。
では、無償と有償の境界線はどこにあるのでしょうか。
以前の説明では、コンサルタントに支払うのは「知見に対する対価」と言いつつも、「時間を費やして深く踏み込んでくれるのがコンサルタントの最大の特長」とも書きました。つまり、お金を取るべきノウハウや、労力や時間を割く仕事であれば、コンサルタントの出番です。
“知見”と“労力”―――言い換えれば頭脳と体力でしょうか。コンサルタントというと、頭脳を生かしてスマートにアドバイスする印象がありますが、体力というと真逆の印象です。実はこれも日本と欧米の“ここ変”のきっかけとなっています。
給与はどこから捻出される?
プリセールスは名前のとおりセールス。つまり、営業職ですのでその給与は売上から捻出されます(販売費)。ですから、自身の給与の源泉は担当製品・サービスで稼ぐことになります(歩合給とかではなく給与の出処として)。
これに対し、ITコンサルタントは、自分自身が“商品”であり、その知見と労力にお金を出していただいているわけです。優秀だったり人気のコンサルタントになれば、ほんの数時間の活動でも驚くべき対価が支払われ、まるで芸能人やタレントのようです。会社の看板が無くても仕事の依頼が来るようになると、独立してしまうのも、タレントと似ている気がします。
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