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Apple対米政府の法廷審問、政府側の要請で4月5日以降に延期
AppleがFBIへのiPhoneのロック解除ツール提供を拒否した件で予定されていた3月22日の法廷審問が、司法省の要請で延期になった。司法省はその理由として、Appleからのツールがなくてもロック解除できる可能性が浮上したためとしている。
3月22日(現地時間)に予定されていた米Appleによる米連邦捜査局(FBI)への協力拒否をめぐる法廷審問が、米司法省からの要請により、4月5日以降に延期された。米Engadgetをはじめとするメディアが、公開された裁判所資料に基いてそう報じた。
この法定審問は、米カリフォルニア州中部地区連邦地裁で22日午後1時から開催の予定だった。
司法省は21日、裁判所に対し、審問を延期するよう要請する文書を提出した。その理由として、3月20日にある外部組織がiPhoneのロックを解除する可能性を示したので、それを試すためとしている。この方法が有効であれば、Appleのサポートは不要になるという。
司法省は、この方法についての文書を4月5日までに裁判所に提出するとしている。この方法がうまくいかなければ、再度審問を設定することになる。
裁判所は同日、この申し出を認め、22日に予定されていた審問は延期になった。
米ABCによると、Appleはこれについて、FBIがどのような団体によるどのような方法を検討しているのか分からないと語った。
Appleのティム・クックCEOは21日、本社キャンパスで開催した新製品発表イベントの冒頭で、政府と対立することになるとは思わなかったが、顧客と国家のデータとプライバシーを守るという責任から逃れるつもりはないと語った。
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