5社に1社がBYODのセキュリティ問題を経験、普及の障壁に
私物端末や会社の端末のマルウェア感染、悪質な公衆Wi-Fiへの接続といった被害に遭ったことがある組織は21%に上った。
私物端末の業務利用(BYOD)が普及する中で、5社に1社はモバイル端末のセキュリティを破られる被害に遭っていることが、BYODとモバイルセキュリティ対策に関する実態調査で分かった。
この調査はデータセキュリティ製品を手掛けるBlancco Technology Groupなど6社がスポンサーとなって、世界のサイバーセキュリティ専門家約800人を対象に実施された。
その結果、調査対象となった組織の21%はモバイル端末のセキュリティを破られる被害に遭ったことがあると回答した。具体的には、私物端末や会社の端末のマルウェア感染と、悪質な公衆Wi-Fiへの接続が多数を占めた。
ただし48%は「自社のモバイル端末が悪質なWi-Fiにアクセスしたかどうか分からない」と答えるなど、実態が把握できていない状況も浮き彫りになっている。
BYODの普及を妨げる要因としては39%がセキュリティ、12%が従業員のプライバシーを挙げた。BYODのセキュリティ問題が組織のITリソースに対する大きな負担になっているという回答は35%に上り、27%はヘルプデスク業務の負担になっていると答えた。
それでも、BYODのためのセキュリティ対策予算を1年以内に増やす予定があると答えた組織は30%にとどまり、37%はセキュリティ対策予算を変更する予定はないとしている。
スポンサーとなったデータセキュリティ製品のメーカー各社は、端末の暗号化や情報流出防止(DLP)といった対策を講じている組織が半数に満たないことなどを挙げ、より包括的なBYODセキュリティ対策が必要だと強調している。
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