第6回 比較で読み解くソフトウェア定義ストレージの選定術:データで戦う企業のためのIT処方箋(4/4 ページ)
ソフトウェア定義のストレージ(SDS)の製品は、実際にどのように選べばよいのでしょうか。今回は実装方式を説明しながら、2つのステップによる選び方を紹介します。
最終ステップ〜利用する製品の選定
最後に、具体的な製品の選定に入ります。次の表は日本で現在入手可能なSDS製品の一例と、それぞれの方式における簡単な特徴です。
一部にはベンダーがアプライアンスとして、ハードウェアと組み合わせて提供しているものもありますが、基本的に利用するハードウェアに依存しないことが特徴です。
ユーザー企業が積極的に表に記載した各種SDS製品の情報を収集して、自社で比較検討できればベストです。とはいえ、SDS製品は機能にかなり幅があることも事実です。2016年時点では、ステップ1、2で集めた情報をもとに、SIerやベンダーに提案を依頼する方が現実的な方式になります。
また、SDS製品はベンダーやSIerにより取り扱い状況がまちまちです。提案を依頼する際は最低でも2社に依頼して、複数のSDS製品間で比較できるようにすることでより、自社にあった製品が選定できるようになります。
今回はSDSに着目して説明しましたが、ステップを分けての絞り込みはSDS以外のシステムを導入する場合でも有効です。ユーザー企業側で選定する目安を理解しておくことでより効率のよい検討ができ、悩む期間を短縮することにつながります。SDSを一度導入し、その後の構成変更を自動化することで運用負荷を減らし、ITシステムの運用管理とそれ付随する書類仕事をより楽にできます。
経営的なメリットについては第4回で説明しましたが、リスク低減、TCO低減といったポイントがあります。それ以外にも、IT部門が今後の変化に備えるために、現業を効率化して負荷を下げるという実務的なメリットもあるでしょう。
次回は実際の導入例として大規模なものと中規模のものを挙げ、導入前の課題と期待値ならびに適用した結果をご紹介したいと思います。
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