NECは4月14日、カメラの前で立ち止まることなく、歩いたままで顔認証が可能な「ウォークスルー顔認証システム」の実証実験を、同社本社ビル(東京都港区)で行うと発表した。
社員用の入退出ゲートにカメラを設置し、顔認証エンジン「NeoFace」で事前に登録した顔画像と照合する仕組みで、ゲート通過時に立ち止まらなくてもよいのが特徴だ。実験に参加するのは約1000人の社員で、毎日の出勤および退社時に認証を行う。
実験の実施期間は2016年8月までの約5カ月。カメラの設置位置や天候、人物の歩行速度や視線といった諸条件のもとで、どれだけ認証システムが機能するか検証を行うことで、運用ノウハウなどを蓄積し、実用的な技術レベルに高めていくとしている。
同社はこれまでも、スタジアムやスポーツイベントで顔認証を使った入場管理の実証実験を繰り返し行ってきており(関連記事)、東京オリンピック・パラリンピックをはじめとする、さまざまな分野でのセキュリティシステムに訴求していく構えだ。
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