いまこそ考えたい、Twitterのつぶやき方と読み方:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
情報をツイートするとき、「今日」や「明日」「来年」などといった相対日付を使っていませんか? 今回は、相対日付が巻き起こす問題について考えます。
リンクされた記事の“日付”を見ていますか?
そしてもう1つ、日付関連で気になるのは、「記事タイトルとURLだけで信じてしまう」ことです。先ほど、「今日、表参道のアップルストアに新iPhoneが入荷してた!」という例を挙げましたが、そのTwitterの投稿に、例えば「表参道にiPhone緊急入荷:ITmedia エンタープライズ」という記事タイトルとURLがあったらどうでしょうか。信ぴょう性は一気に高くなりますね。
しかし、クリックして記事をよーく見てみると、日付は1カ月前だったりしませんか? 似たような事件は度々SNS界で発生していて、最近ではルパン三世の銭形警部役、納谷悟朗氏逝去のツイートが2015年2月ごろにTwitter界に広まり、多くの方が追悼の言葉を投稿していたのを思い出します。お亡くなりになられたのは2013年だったのですが……。
- 「銭形警部」納谷悟朗さん死去 「あなたもわれわれの心を盗んでいきました」
古き良きネット時代では、「ソースをかけ」といわれることが多かったです。そのソースとして、URLを記載し、情報源を明記することで初めて納得することができました。
しかし、最近はどうも、URLが書かれているとそれだけで納得し、その先に書かれたことをちゃんと把握したり吟味したりせず、記事タイトルをうのみにしてしまうことが多いようです。これは読む側が少し気にしておかなければならないことでしょう。記事を読むだけでなく、その情報の発信タイミングがいつなのか、アップデートはないのかというのが大変重要なポイントになります。
2011年3月11日に発生した東日本大震災、そして2016年4月14日以降、いまだ揺れが続いている熊本地震の被害に対し、SNSをはじめとするITの力は確実にプラスに動いています。しかし、少なからず「混乱」を招いているのも確かです。
そのため、SNSを使う人たちもほんのちょっとだけ「情報の確かさ」を担保することを念頭に置いてほしいと思います。書く側は「相対日付」をやめ、情報源を明記すること。読む側はその情報がいつのものなのか、どこからのものなのかを確実にチェックすることが重要です。もはや「緊急とか拡散とか書いてあるからすぐにRTしなきゃ!」という短絡思考を持つ人のアカウントは、見切りをつけるべき時かもしれません。
SNSの使われ方は、緊急時の教訓をきっかけに変わります。ITの世界、SNSの世界が少しでもよりよき方向に向かうことを祈りつつ、震災の被害に遭われた方々へ、いま自分ができることを考えているところです。
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