IT苦手な営業女子が「2つの巨大案件」で学んだこと――明石沙弓さん:トップ営業の視点(3/3 ページ)
企業の情報システムを手掛けるIT部門にとって、ITベンダーの営業はどのように映るだろうか。今回はいつもと逆の視点から、企業のIT導入について見ていこう。
IT部門以外も巻き込んだビジネスを作り出せるか?
入社以来、将来は海外で仕事がしたいという思いは変わっていないと明石さん。他国の文化や人を知るのが楽しいとのことで、今でも休みを見つけては海外に旅行しており、2015年は7カ国を回ったそうだ。今まで訪れた国は25カ国を超える。
最近では、海外と日本のクライアントをつなぐようなプロジェクトに携わることもあり、徐々にではあるが願いはかないつつある。全世界のIBM社員から毎年約1000人を選ぶ「Best of IBM」も受賞したが、営業としてのキャリアはこれからだ。
「今までは頼まれたプロジェクトを回していたようなものでしたが、これからは自分でビジネスを作り出せるようになりたいですね。お客さまが気付いていないような課題に気付けるというのも、営業の価値だと思っています。そのためにも、クライアントの会社全体を俯瞰する視点が大切でしょう。IT部門だけではなく、業務部門や役員などさまざまな人がITの導入に関係してくる時代ですから」(明石さん)
入社してから3年間、全速力で駆け抜けた彼女だが、“もし入社したころに戻れるならば”と聞くと、笑いながら「もっとITを勉強していたのではないでしょうか」と答える。
「ITのソリューションを提案する立場ではありますが、ITというよりは、突き詰めれば、人と人との信頼みたいなところで案件が動くと思っています。そんな営業の“人間くさい”ところが好きなのですが、やはりお客さまに適したソリューションを考え、それを相手に響く言葉で語るためにも、ソリューションの理解が大切です。なので、今はITに関する書籍を読んだり、プログラミングを勉強してみたりしているんです」(明石さん)
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