コレ1枚で分かる「IoTがもたらす2つのパラダイムシフト」:即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)
IoTによって私たちの生活やビジネスがどのように姿を変えていくのか、社会基盤と「モノの価値」の2面から見ていきましょう。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
IoT(Internet of Things)は、既存の常識をどのように変えようとしているのでしょうか。
社会基盤のシフト
IoTがもたらす常識の転換(パラダイムシフト)の1つは、現実世界(Physical World)と電脳世界(Cyber World)を一体化させた新たな社会基盤の実現です。
スマートフォンやウェアラブル端末、車や建物、公共交通機関や道路・公共施設などに組み込まれたセンサーによって、私たちの生活や社会の出来事はデジタルデータとして収集され、インターネットに送り出されます。
このようなネットワークにつながるデバイスの数は、2015年の180億個から2020年には500億個に達するといわれており、これによって現実社会がより緻密に、そしてリアルタイムにデータ化され、電脳世界にそのデジタルコピーをつくり上げる仕組みが構築されようとしています。
このデジタルコピーを使って、シミュレーションや人工知能を使った解析を行い、現実社会の出来事を深く理解し、さまざまな洞察や最適解を導き出すことができるようになります。この結果は、多種多様な業務サービスや情報サービスを介して、現実世界に再びフィードバックされ、新たな活動や変化をもたらします。そして、その動きは、センサーに収集され、また電脳世界に送られます。
このような一連の仕組みをサイバーフィジカルシステム(CPS:Cyber-Physical System)といいます。CPSは、日常生活や社会活動のさまざまな領域に組み込まれ、これまでにできなかったような新たな価値を生み出していくでしょう。
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