第4次産業革命で何が変わるのか:『ビジネス2.0』の視点
4月27日に経済産業省が公表した、「第4次産業革命」と呼ばれる技術革命をリードするための官民の羅針盤となる取り組み「新産業構造ビジョン」の中間整理について、押さえておきたいポイントを紹介します。
この記事は林雅之氏のブログ「『ビジネス2.0』の視点」より転載、編集しています。
経済産業省は2016年4月27日、「産業構造審議会 新産業構造部会(第8回)」を開催し、「新産業構造ビジョン 中間整理」を公表しました。
経済産業省では、産業構造審議会に「新産業構造部会」を立ち上げ(平成27年8月)、関係省庁と一体となって「新産業構造ビジョン」の策定に向けた検討を進め、今回中間整理をまとめています。
第4次産業革命においては、「技術(共通基盤技術×産業コア技術)×関連データ」による、エネルギーデマンドレスポンスなど、さまざまなサービスイメージを紹介しています。
有力分野における変革では、「ものづくり革新・産業保安・流通・小売」や、「自動走行・モビリティ」のイメージを紹介しています。
金融では「FinTech」、健康・医療・介護では、「各個人に見合った健康・予防サービスの提供」などの例を紹介しています。医療・介護ロボットの実装による医療・介護現場の負担軽減も期待されるところです。
スマートハウス・スマートコミュニティー・エネルギーでは、総合的なエネルギー需給管理を行うスマートコミュニティーの実現を紹介しています。
教育では、子ども一人ひとりの習熟度や学習上の困難さ、得意分野など、個に応じた学習ができるアダプティブ・ラーニング等の進展の例を紹介しています。
農業ではロボットや自動走行システム等の導入による省力化などの例、観光ではシェアリングやマッチングサービスの広がりなどを紹介しています。
著者プロフィル:林雅之
ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書:『スマートマシン 機械が考える時代』『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『オープンデータ超入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』
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