次のWindows 10、「Anniversary Update」とは何者か:Enterprise IT Kaleidoscope(1/3 ページ)
3月、Windows 10の最初のリリースから1周年を記念する「Anniversary Update」の提供が発表された。どんな点が注目されるのだろうか。
3月末に米国サンフランシスコで開催されたMicrosoftの開発者向けカンファレンス「Build 2016」で、開発コード名「RedStone(レッドストーン)」と言われていた次期大型アップデートが「Windows 10 Anniversary Update(以下Anniversary Update)」という名称で提供されると発表された。Anniversary Updateは、既存のWindows 10ユーザーに対しては無償提供される。
Anniversary Updateは、既にInsider Previewでプレビュー版の提供が始まっており、Insider Previewに登録すれば、Anniversary Updateの機能をテストできる。なお、Insider Previewは各種機能のテストが中心のため仕様が変更されたり、バグによってPCが起動しなかったりといった可能性もあり、一般ユーザーは使用しない方がいい。
Anniversary Updateは、ある意味でMicrosoftが目指した本当のWindows 10に近い機能を持っていると言われている。2015年にリリースされた最初のWindows 10、初のアップデートになるNovember Updateなどは、Anniversary Updateからインプリメントできた機能のみを集めてベーシックなWindows 10を提供した格好といえるだろう。昨年のWindows 10は、今後10年間のWindows OSの基礎を提供したに過ぎない。
Build 2016ではWindows 10上でLinux(Ubuntu環境)のコマンドラインのBashを動かせたり、Xbox OneのAnniversary UpdateではXbox One上でUWP(Universal Windows Platform)ベースのアプリ開発が可能になったりするなど、開発者向けの機能も充実してきている。
エンタープライズユーザーにとって注目すべきは、事前にNovember Updateの新機能として紹介されながら、最終的には搭載されなかったデータ保護機能のEnterprise Data Protection(EDP)がAnniversary Updateに導入される点だ。
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